神経軸索誘導分子のうち、エリスロポイエチン(EPO)に着目し、EPO遺伝子プロモーター領域の一塩基多型であるrs1617640(C/A)アレル A頻度の増加と未熟児網膜症(ROP)の発症の関連を検討した。在胎週数 32 週未満のROP 44 例と非 ROP 62 例の 2群間でアレル A 頻度、ジェノタイプ頻度ともに有意差は認めなかった。対象となった児の臨床背景を多変量解析したところ、ヒト遺伝子組み換え(hr-)EPO 投与が ROP 発症の独立したリスク因子として抽出された。ROP発症には内因性に EPO 濃度を上昇させるEPO遺伝子多型ではなく、未熟児貧血の治療薬として外因性に投与されたhr-EPOと関連があることが示唆された。
|