研究課題/領域番号 |
23791235
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
高田 彰 岩手医科大学, 医学部, 助教 (30438494)
|
キーワード | 血液浄化療法 / ブラジキニン / サイトカイン |
研究概要 |
24年度は実験に使用する機材が製造中止で入手困難となったため、計画に一部修正を加えざるをえなくなった。 まず、新生児領域で汎用されていたポリアクリロニトリル膜であるAPF膜(旭化成メディカル社)が製造中止となったため、入手が困難となり、検討の対象とすることが困難となった。そのため、本研究の検討には現在最も低容量の血液浄化器となったポリスルフォン膜のAEF膜(旭化成メディカル社)とポリメチルメタクリレート膜のPMMA膜(東レ)の2つに絞るように計画を立て直した。 さらに、採血した全血を白血球除去後に濃厚赤血球を作成する白血球除去フィルター付き採血バッグも製造中止から入手困難となった。ただし、白血球除去フィルターそのものは入手可能である。濃厚赤血球中の残存白血球はブラジキニンやサイトカイン濃度に影響を与えるため、実験開始直前に白血球除去を行った濃厚赤血球を用いることとした。この際のブラジキニン濃度の影響について、残存するAPF膜を用いて検討した。事前に白血球除去を行ったブラジキニン濃度は689±357ng/mlであり、直前に白血球除去を行ったブラジキニン濃度 451±290ng/mlより高い数値を示した。このことから、白血球除去の時期による影響も無視できないと判断し、ブラジキニン濃度を含めて、動態から再検討する必要が新たに出た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1、計画当初の物品が入手困難となったため、検討する血液浄化器の再検討が必要となった。 2、白血球除去を濃厚赤血球作成前に行う血液バッグが製造中止から入手できなくなったため、実験開始直後に白血球除去を行う必要が出た。その際の影響について追加実験を加える必要があった。
|
今後の研究の推進方策 |
白血球除去による影響の検討結果から、実験開始直前の白血球除去を行った濃厚赤血球を用いて、AEF膜およびPMMA膜でのブラジキニンん、サイトカイン濃度の動態を検討する。この際、APF膜で用いた浄化条件を参考にできるため、浄化条件設定の検討を短縮できる。また、23年度の検討からAPF膜と異なり、AEF膜やPMMA膜ではブラジキニンなどの大きな濃度変化がないことが予想されるため、ELISA法を用いた濃度検討は、数検体まとめて測定することで、時間の短縮を図る。
|
次年度の研究費の使用計画 |
25年度の研究費は、ブラジキニンおよびサイトカインの濃度を測定するRIAキット、もしくはELISAキットの購入に当てる。また、適宜透析に必要な備品の購入にあてる予定である。
|