我々は本研究課題において、扁平上皮癌の発生過程におけるphosphatidylinositol-3-kinase(PI3K)のp110α触媒サブユニット(p110α)の動的役割を解明し、かつ新規分子標的治療法を模索することを試みた。その結果、Pi3k・p110αホモ欠失マウスは交配を繰り返したにもかかわらず、全く出生することはなく、胎生致死であることが判明した。また、Ptenヘテロ欠失マウスは、15ヶ月以内に62匹中8匹に腫瘤が自然発症し、また準備実験として実施した化学発癌処理により、早期より腫瘤が発生することが判明した。
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