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2011 年度 実施状況報告書

皮膚悪性腫瘍に対する抗癌剤感受性試験

研究課題

研究課題/領域番号 23791269
研究機関岡山大学

研究代表者

大塚 正樹  岡山大学, 大学病院, 助教 (80452572)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード抗癌剤感受性試験 / 皮膚悪性腫瘍
研究概要

抗癌剤の感受性は同一の臓器由来で同一の組織型を有する癌においても一定しない。これまで、皮膚悪性腫瘍に対しては病名によって盲目的に抗癌剤が投与されてきた現実がある。個々の症例に対して、有効な抗癌剤を予測・選択して投与し、有効性が期待できない抗癌剤の投与を最小限にとどめることを目的とする。この有効な抗癌剤を予測・選択する手法が抗癌剤感受性試験と考える。具体的には、皮膚悪性腫瘍StageIII/IV症例、当科で扱う原発不明癌を対象とし、手術あるいは生検によって得られた原発巣もしくは転移リンパ節などの腫瘍組織を抗癌剤感受性試験へ提出した。抗癌剤感受性試験はHistoculture Drug Response Assay(HDRA法)を選択し、商業化されているエスアールエル社に検体を提出した。Inhibition Index(%)50%以上を示す抗癌剤が存在する症例は感受性群として、その抗癌剤を含むregimenで化学療法を行うこととした。平成23年度はメラノーマ6症例、原発不明癌1症例の計7症例に対して抗癌剤感受性試験を行い、感受性群5例、低感受性群2例であった。感受性群4例に対しては、感受性を示した抗癌剤を含むregimenで化学療法を行った。当科では平成21年度5症例、平成22年度6症例に対して、抗癌剤感受性試験を行っており、これらの結果も含めて、抗癌剤感受性試験の臨床的有用性を現在検証している。進行期皮膚悪性腫瘍に対し抗癌剤感受性試験を行い、有効と判定された薬剤による抗癌剤治療を行い、良好な結果を示すことができれば、従来の経験的判断に基づいた抗癌剤治療から、個々の患者に対して最も有効で適切な抗癌剤を選択して治療することができると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

症例数が当初の目標より伸びていない現状がある。進行期皮膚悪性腫瘍の頻度の問題も関係あると考える。また、高齢の症例においては、抗癌剤感受性試験で高い感受性を示しても、全身状態、合併症から抗癌剤投与が難しい症例や、副作用から抗癌剤を継続できない症例もみられた。症例によっては、未だ短い観察期間ながら現在までのところ、良好な経過をたどる例もみられている。今後の症例の集積、慎重な観察が必要と考える。

今後の研究の推進方策

症例の集積が最も重要と考える。十分な観察期間が得られる訳ではないが、感受性群と低感受性群の2群で疾患別、病期別に生存予後を検討する。抗癌剤感受性試験の臨床効果予測率の判定方法は、測定可能病変を有する場合と有しない場合で異なる。測定可能病変を有する場合の効果判定は、Revised Evaluation Criteria in Solid Tumor(RECIST)判定により行う。完全奏効(complete response; CR)+部分奏効(partial response; PR)を奏効症例とし、奏効率を測定する。可能病変を有しない場合は、生存期間により判定する。

次年度の研究費の使用計画

症例集積に努める。当科皮膚悪性腫瘍症例で経過観察中に再発・転移を生じた症例に対しても積極的に抗癌剤感受性試験を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 抗癌剤感受性試験に基づいた化学療法を行った乳房外Paget病の1例2011

    • 著者名/発表者名
      浮田彩、山崎修、大塚正樹、濱田利久、梅村啓史、岩月啓氏
    • 学会等名
      第27回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会
    • 発表場所
      京王プラザホテル
    • 年月日
      2011年6月4日

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公開日: 2013-07-10  

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