研究概要 |
本研究では、マウス悪性黒色腫に浸潤している樹状細胞の解析を経時的に行った。腫瘍接種後ごく初期から、非常に多くの割合の樹状細胞(CD11c+, MHC classII+)が腫瘍内に浸潤しており、その割合は腫瘍の増大とともに徐々に減少していくことがわかった。しかし浸潤する樹状細胞の数は逆に、腫瘍の増大とともに増加した。また、形質細胞様樹状細胞や通常の二次リンパ組織では見られない樹状細胞サブセット(CD11c+, B220+, Gr-1-, NK1.1+)も割合は少ないものの見られ、腫瘍が増大してもその割合にほとんど変化は見られなかった。腫瘍に浸潤している樹状細胞は表面マーカー(CD86)で見るとリンパ節の樹状細胞より活性化した状態であった。本研究により、腫瘍発育早期には予想以上に多くの腫瘍浸潤樹状細胞が見られたため、これらの更なる詳しい表面マーカーの解析、機能の解析は抗腫瘍免疫を高める手がかりになりうると考えられた
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