研究課題/領域番号 |
23791301
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
石井 文人 久留米大学, 医学部, 講師 (80330827)
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キーワード | 皮膚診断学 / 皮膚免疫学 / 自己免疫性水疱症 / 疱疹状天疱瘡 / 増殖性天疱瘡 / 腫瘍随伴性天疱瘡 / デスモコリン / ELISA法 |
研究概要 |
疱疹状天疱瘡・増殖性天疱瘡は古典型天疱瘡の亜型として分類される。古典型天疱瘡と同様にIgG クラスの表皮細胞膜表面に対する自己抗体が検出されるが、その臨床像は特異的である。本研究では、疱疹状・増殖性天疱瘡におけるデスモコリン(Dsc)蛋白に対するIgG自己抗体の検出とその病原性を検討することにより、疱疹状天疱瘡・増殖性天疱瘡における病変発症機序を解明することを目的とする。 平成23-24年度にて疱疹状天疱瘡・増殖性天疱瘡患者血中の自己抗体がデスモコリン蛋白に自己抗原を持つ症例を各種の免疫学的,分子生物学的手法を駆使して検出し、デスモコリンのELISAやcDNA-トランスフェクション法の有用性を評価した。さらに抗デスモコリン抗体の検出法の確立のために、腫瘍随伴性天疱瘡などの亜型の天疱瘡を含めて対象を増やし、同手技の有用性を評価した。 Eukaryotic cells発現系を用いて組み換えデスモコリン蛋白質を基質としたELISAにて、腫瘍随伴性天疱瘡および一部の疱疹状天疱瘡、増殖性天疱瘡に高値で陽性であった。正常人および古典型天疱瘡に比べ高率に亜型天疱瘡に抗デスモコリン抗体を検出し、その特異的な臨床にこれらの抗体が関与しているのではないかと推察した。cDNA-トランスフェクション法はバックグラウンドが高く偽陽性となることがあり、ELISA法の手技が有用であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23-24年度に疱疹状天疱瘡、増殖性天疱瘡における抗デスモコリン抗体の検出を行い、その結果をもとに平成24年度in vivoの研究に取り組む予定であったが、抗デスモコリン抗体の検出法の確立のために、腫瘍随伴性天疱瘡などの亜型の天疱瘡を含めて対象を増やし、多くの手技や新たなELISAシステムの開発、解析を行った。このため、自己免疫の直接証明としてのin vivoの研究は次年度に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度はデスモコリン蛋白に自己抗原に対する病原性を評価することに目的を置き、下記研究を行い、総合的評価を行う予定である。自己免疫の直接証明としてのin vivoの研究を行い、また抗原抗体解析の結果を総合的に患者背景および臨床学的特徴の検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
一般実験試薬、一般実験器具、各種抗体、各種酵素、タンパク質精製試薬・装置、細胞培養液、牛血清アルブミン等に費用がかかる。研究経費のすべては研究に要する実験試薬・実験器具、そのほかの消耗品が占める。研究の速やかな遂行を図るため必要最低限の設備備品の購入を予定している。 平成25年度では、一般実験試薬(各種抗体,核酸,酵素,培地等)に10千円、ガラス,プラスチック器具類に10千円、一般実験器具(樹脂製消耗品含む)に20千円、実験動物(家兎,マウス購入)に20千円を予定している。
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