統合失調症とアスペルガー障害で観察される認知機能障害の異同について、行動レベルから神経機能のレベルまで明らかにすることを目的とした。(1)運動視知覚、(2)生物知覚、(3)共感化能力について行動課題の成績を比較した。生物知覚について、統合失調症患者群で低下していることが分かった。共感化能力については統合失調症、アスペルガー障 害群とも健常者群よりも成績が低下するが、これら二群では成績低下に相違は見られなかった。これらのことから、社会認知機能は、統合失調症、アスペルガー群は低下が観察されたが、社会知覚は統合失調症でより不良であることが示された。
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