前年度に引き続き、東北大学病院精神科の早期精神病専門外来(SAFEクリニック)において、ARMSと初回エピソード精神病患者のリクルートを行った。最終的にARMS患者28名、初回エピソード精神病患者30名がリクルートされ、社会的認知課題として心の理論 (theory of mind ) picture stories task日本語版とBeck Cognitive Insight Scale (BCIS)日本語版とBrief Core Schema Scale (BCSS)日本語版を実施した。また、これらの患者の機能面の評価として、社会機能を社会機能尺度日本語版(Social Functioning Sacle Japanese Version: SFS-J)、全般機能について機能の全体的評定尺度(The Global Assessment of Functioning:GAF)によって評価した。また、これまで集積したデータを用いて中間解析を行った。この結果では、初回エピソード精神病患者に関しては、心の理論機能において、有意に障害されている可能性があるという結果であり、機能の全体的評定尺度(The Global Assessment of Functioning:GAF)によって評価する全般機能の低下と心の理論機能の障害が正の相関をする可能性があることを確かめた。今後、欠落データや外れ値についての扱いについて定め、最終的に使用できるデータを整え、論文化を行っていく予定である。
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