今後の研究の推進方策 |
新潟大学医歯学総合病院精神科入院中で統合失調症と診断された症例の中で、本研究の内容を十分に説明され書面で同意の得られた症例のみを対象とする。(1)オランザピン内服群に対してOGTTを行う。OGTTは、オランザピンを同一用量で2週以上内服した時点で、12時間絶食後の早朝空腹時にOGTTを行う。同時に、インクレチン、一般生化学検査およびDNA抽出用の採血、身長・体重・ウエスト径計測なども行う。(2)文献検索により、GWASで同定された2型糖尿病や糖負荷後のインスリン分泌や血糖値と関連する遺伝子をピックアップする。(3)ピックアップされた遺伝子(GIPR、TCF7L2、HHEX、CDKN2B、CDKAL1、IGF2BP2、KCNQ1、GIPR、ADRA2A、ARL15、adiponectinなど)について、HapMap日本人データベースに基づきタグSNPを選択する。(4)ハイスループット・タイピング装置(ABI-7900HT)を用い遺伝子型判定を行う。(5)ゲノム情報と各OGTTパラメーター(fasting glucose, fasting insulin, HOMA-IR, AUC glucose, AUC insulin, insulinogenic indexなど)、インクレチン値、臨床情報(性別、年齢、BMI、ウエスト径、内服状況など)を対応させたデータベースを構築し網羅的解析を行う。また、オランザピン内服群と比較するため、他の新規抗精神病薬群や未服薬コントロール群のサンプリングも行う。昨年度は、インクレチンの測定方法が変更となり、一時的にインクレチン測定が出来ない状態となったため、研究費の未使用分が生じた。
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