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2012 年度 実施状況報告書

統合失調症関連分子DBZの脳可塑性における役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23791332
研究機関大阪大学

研究代表者

高村 明孝  大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (80514398)

キーワード統合失調症 / 脳可塑性 / DBZ / 抑制性神経細胞
研究概要

近年、新たな統合失調症発症メカニズムとして、環境からの刺激によって神経回路網が柔軟に変化する「脳の可塑性」の異常が注目されつつある。本研究課題では、我々の研究グループが統合失調症関連分子として同定したDBZと脳可塑性との関わりを詳細に検討し、DBZ機能の解明、さらには統合失調症発症における脳可塑性異常の関与について解明することを目的とする。
これまでの研究において、我々の研究グループはDBZを統合失調症関連因子であるDISC1の結合因子として同定し、神経細胞の形態変化に関わることを報告した。一方で、抑制性神経細胞の異常が統合失調症発症に関与すること、さらには抑制性神経細胞の発達が脳の可塑性に関与することが様々な研究において示唆されている。
そこで本研究課題ではまず、抑制性神経細胞の発達におけるDBZの役割について検討した。その結果DBZノックアウトマウスでは大脳皮質において抑制性神経伝達物質GABAの合成酵素のひとつであるGAD67のmRNA・タンパク発現量が減少していることを明らかにした。
さらに、平成24年度はゴルジ染色法を用い、DBZノックアウトマウスにおける抑制性神経細胞の形態について検討を行い、体性感覚野における突起伸展の異常に関する結果が得られた。
以上の結果から、DBZは抑制性神経細胞の発達に関与していることが明らかとなり、脳の可塑性に影響する可能性が示唆された。DBZの異常は抑制性神経細胞の発達異常を介し、脳の可塑性に影響を与え、統合失調症の発症につながる可能性が考えられ、統合失調症発症メカニズムの解明に大きく寄与し、新規治療薬開発につながる可能性が考えられる。そこで現在、同じくDBZノックアウトマウスにおいて、神経細胞のスパイン形態について詳細な検討を行っており、脳の様々な領域での変化について検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前述のとおり、平成24年度はDBZノックアウトマウスにおいて抑制性神経細胞の突起伸展異常を明らかにした。現在、抑制性神経細胞のスパイン形態について、その変化を同じくゴルジ染色法によって検討しており、抑制性神経細胞の発達におけるDBZの役割の解明を目指す。
以上のことから、おおむね順調に進行していると考える。

今後の研究の推進方策

本研究課題は若干の変更があったものの、おおむね順調に進んでいる。引き続き計画の通り研究を進める。

次年度の研究費の使用計画

研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行した。また、これまでに得られた結果から研究計画に若干の変更を行ったため、当初の見込み額と執行額は異なった。
今後は前年度の研究費も含め、予定通りの計画を進めていく。

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公開日: 2014-07-24  

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