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2012 年度 実績報告書

ヒストン脱アセチル化酵素を標的とした新規抗うつ薬創薬研究

研究課題

研究課題/領域番号 23791336
研究機関山口大学

研究代表者

大朏 孝治  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10535256)

キーワードGDNF / HDAC4
研究概要

本研究では、早期効果発現を示す抗うつ薬開発、気分障害の病態解明を目標とし、うつモデルマウスにおいて、グリア由来神経栄養因子であるglial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF) 発現量低下を認めたこと、グリア系培養細胞(C6細胞)における抗うつ薬投与によるGDNF mRNA発現量亢進に着目して研究を進めてきた。研究経過からはニューロン系培養細胞であるN2a細胞でも同様に抗うつ薬の添加により、GDNF mRNA発現量の亢進を認めた。更に、研究経過中にヒストン脱アセチル化酵素であるhistone deacetylase 4 (HDAC4) の関与も判明してきた。HDAC4過剰発現は抗うつ薬によるGDNF mRNA増加を抗うつ薬のみよりも有意に抑制していた。また、C6細胞、N2a細胞でともに抗うつ薬添加によりHDAC4が核外移行することをimmunofluorescence microscopy法により確認、更にwestern blot法でもkitを用いて細胞質と核を分離した後に検討を行ったが、核から細胞質への移行が蛋白レベルで確認できた。ChIP assy法により、双方でGDNF promotor領域で抗うつ薬添加時にHDAC4のリクルート量が減少していることも確認した。また、それらの変化に伴ってHDAC4のリン酸化レベルが増加していることも発見した。動物実験においては内側前頭前野に抗うつ薬と同時に特異的HDAC4抑制剤を局所的に投与することで、抗うつ効果が早期に発現することも発見した。その際のGDMF mRNA発現量も増加していた。以上のことからは、抗うつ薬はHDAC4を介したヒストン修飾を介してGDNF発現量を増加させることで、抗うつ効果を示す可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] うつ病におけるエピジェネティクス2012

    • 著者名/発表者名
      大朏孝治、内田周作、芳原輝之、山形弘隆、渡邉義文
    • 雑誌名

      日本神経薬理学雑誌

      巻: 32 ページ: 181-186

  • [学会発表] HDAC4を介した抗うつ薬によるGDNF遺伝子転写制御のメカニズム2012

    • 著者名/発表者名
      大朏孝治, 内田周作, 芳原輝之, 山形弘隆, 渡邉義文
    • 学会等名
      第34回生物学的精神医学会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(神戸)
    • 年月日
      20120927-20120930

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公開日: 2014-07-24  

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