現在までに正常対照者13名における脳MRI画像の計測が終了している。MATLABおよびMATLAB上で動作する脳波および脳磁図データ解析用のオープンソースソフトウェアであるFieldTrip(http://fieldtrip.fcdonders.nl/にて入手可能)を利用し、脳MRI画像及び脳磁図データの解析を行える環境を構築しつつあるが、その環境において作成したプログラムを用いて、①双極性障害患者の聴覚処理機構の異常を聴覚定常反応(Auditory steady state response)を指標として、世界に先駆けて発表し(Oda et al. PLoS One. 2012)、②統合失調症患者における顔認知異常を事象関連電位を指標として、世界に先駆けて発表し(Tsunoda et al. Clin Neurophysiol. 2012)、③健常者における脳内の視覚情報と聴覚情報の統合機構を誘発脳磁図および特定の周波数帯域の磁場活動を指標として評価しその結果を投稿中である(Nakamura et al.)。更には統合失調症患者における言語処理に関する脳内機構異常の理解を深めるため、④精神疾患患者における事象関連電位についての総説を作成し、投稿中であり(Maekawa et al. Curr Psychiatry Rev. 2012)、⑤統合失調症患者における言語処理の異常についての総説を作成し、投稿中である(Hirano and Onitsuka)。
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