研究課題/領域番号 |
23791342
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
平田 真一 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (10423683)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | NIRS / 認知症 / 鑑別検査 |
研究概要 |
当該年度においては、LabVIEWプログラムソフトなどを活用し、神経心理課題を開発、さらにNIRS計測機器とパソコンとを同期させ、神経心理課題システムを構築し、さらに健常者から具体的な脳血流の変化を記録した。 具体的には、被験者に画面上に表示される文字を読ませる期間をベースラインとし、画面上の十字マークを前後左右に動く場面を掲示し、被験者にその方向を答えさせる課題を開発した。その際に、計測機器と同期させ、その最中の脳血流変化を抽出出来るようにシステムを構築した。次に健常者において実際に計測し、目的とする脳血流の変化が検出出来るか検証し、その結果からプログラムを改良し再び検証するというプロセスを繰り返している。 研究の目的は、認知症の早期鑑別のための検査システムの開発である。物体の動きや方向は頭頂葉で認識されていると考えられており、認知症ではこの認知が障害され道迷いなどの症状になると考えられている。実際に、アルツハイマー病患者ではSPECT検査において頭頂葉の楔前部での血流低下を認める事が広く知られている。今回の研究では、この部位での血流低下をNIRS機器で検出することが主眼であるため、まずは健常者においてこの部位での血流の賦活が観察できることが前提となる。そのためには今回、健常者において計測パターンやその実際的な賦活効果を調べることは研究を進める上での基礎であり、極めて重要なプロセスであると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者からの計測も開始する予定であったが、健常者における脳血流の賦活が安定しないため、現在は神経心理課題の改良を行なっている最中である。
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今後の研究の推進方策 |
健常者での脳血流賦活が得られる課題を完成させ、患者からの計測を始める。患者のエントリーは当科物忘れ外来で行なう予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
プローブの固定は機器に付属している標準の型枠で代用できたため、頭部型枠用部材を購入する必要がなかった。そのため、次年度に使用する予定の研究費が生じた。次年度においては、解析ソフトのみの購入としていたが、処理能力の高い解析用のパソコンを購入し、円滑に解析、分析を行いたい。
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