経頭蓋磁気刺激法の気分障害に対する治療プロトコールの最適化と神経可塑性変化の検討

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23791345
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 精神神経科学
• 研究機関: 横浜市立大学
• 研究代表者: 中村 元昭 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (50464532)
• 研究協力者: 野田 賀大 東京大学, 医学研究科, 大学院生 ; 佐伯 隆史 横浜市立大学, 医学研究科, 大学院生 ; 早坂 俊亮 横浜市立大学, 医学研究科, 大学院生 ; 土屋 美江 横浜市立大学, 医学部, 医局員 ; 伊津野 拓司 昭和大学, 医学部, 医局員
• 研究期間 (年度): 2011 – 2012
• キーワード: 経頭蓋磁気刺激法 / 気分障害 / 背外側前頭前野 / 脳画像 / 脳波 / 神経可塑性

研究概要

薬物治療抵抗性のうつ病の患者群を対象として、反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)の有効性を厳密に調べるランダム化比較試験(RCT)のデザインを開発した。精度の高いシャム刺激を対照群として、複数の治療プロトコールの直接比較や、再発予防効果の検証が可能となる臨床試験である。現時点で RCT の被験者数は目標数に達していないため、rTMS前後の生物学的変化も含めた本研究の最終的な解析は RCT終了時点にて行なう。

研究成果

• [雑誌論文] Potentiation on quantitative electroencephalograms following Prefrontal Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation in Patients with Major Depression (2013)
  • 著者名/発表者名: Noda Y, Nakamura M, Takashi Saeki T, Inoue M, Iwanari H, Kasai K
  • 雑誌名: Neuroscience Research 巻: (in press)
  • 査読あり
• [雑誌論文] Localized potentiation of sleep slow-wave activity induced by prefrontal repetitive transcranial magnetic stimulation in patients with a major depressive episode (2013)
  • 著者名/発表者名: Saeki T, Nakamura M, Hirai N, Noda Y, Hayasaka S, Iwanari H, Hirayasu Y
  • 雑誌名: Brain stimulation 巻: 6(3) ページ: 390-6
  • 査読あり
• [雑誌論文] Neuromodulation in clinical psychiatry; its history, present, and future (2012)
  • 著者名/発表者名: Nakamura M
  • 雑誌名: Japanese Journal of Biological Psychiatry 巻: 23(2) ページ: 121-129
  • 査読あり
• [雑誌論文] Therapeutic Application of Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation for Major Depression (2012)
  • 著者名/発表者名: Nakamura M
  • 雑誌名: Seishin Shinkeigaku Zasshi 巻: 114(11) ページ: 1131-1149
  • 査読あり
• [雑誌論文] Therapeutic application of repetitive transcranial magnetic stimulation (rTMS) to major depression (2011)
  • 著者名/発表者名: Nakamura M
  • 雑誌名: Japanese Journal of Biological Psychiatry 巻: 22(3) ページ: 181-189
  • 査読あり
• [学会発表] 「rTMS の科学的基盤」 トピックフォーラム 17「うつ病に対するrTMS治療の有効な臨床応用にむけて」 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中村 元昭
  • 学会等名: 第109回日本精神神経学会学術総会
  • 発表場所: 福岡国際会議場(福岡県)
  • 年月日: 2013-05-25
• [学会発表] 「rTMS の有効性を高める」 シンポジウム 29 「ECTの進歩と rTMSへの期待」 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中村 元昭
  • 学会等名: 第109回日本精神神経学会学術総会
  • 発表場所: 福岡国際会議場(福岡県)
  • 年月日: 2013-05-24
• [学会発表] 「rTMS の作用機序-主に脳形態画像と脳波の側面から-」 シンポジウム 8「電気けいれん療法・磁気刺激療法の生物学的基盤」 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中村 元昭
  • 学会等名: 第34回日本生物学的精神医学会
  • 発表場所: 神戸国際会議場(兵庫県)
  • 年月日: 2012-09-28
• [学会発表] Biology of rTMS: structural and electrophysiological brain alterations induced by rTMS possibly associated with its antidepressant effect (2011)
  • 著者名/発表者名: Nakamura M
  • 学会等名: Symposium Presentation at World Congress of Asian Psychiatry (WCAP)
  • 発表場所: Melbourne, Australia
  • 年月日: 2011-08-02
• [学会発表] Navigation-guided repetitive transcranial magnetic stimulation (rTMS) applied to major depression and rTMS-induced structural brain alterations (2011)
  • 著者名/発表者名: Nakamura M, Noda Y, Saeki T, Kawamoto E, Nagafusa Y, Inoue M, Yamamoto Y, Iwama H, Iwanari H, and Hirayasu Y
  • 学会等名: Oral Presentation at 10th World Congress of Biological Psychiatry (WFSBP)
  • 発表場所: Prague, Czech Republic
  • 年月日: 2011-06-02
• [図書] 【経頭蓋磁気刺激の臨床、研究への応用】うつ病治療への応用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中村 元昭
• [図書] うつ病(分担) (2012)
  • 著者名/発表者名: 中村 元昭
  • 出版者: 精神保健 福祉白書(2013 年版)
• [図書] 遺伝子多型(COMT、BDNF、NRGI)と脳構造・脳機能(神経画像遺伝学) (2011)
  • 著者名/発表者名: 中村 元昭
  • 出版者: 星和書店
• [図書] DTI (Diffusion Tensor Imaging) (分担) (2011)
  • 著者名/発表者名: 中村 元昭
  • 出版者: 精神科臨床評価検査法マニュアル. 「臨床精神医学」編集委員会(編集).アークメディア
• [備考]
  • URL: http://www.kinkou.org/rTMS.html
• [備考] 当該研究の取り組みの一部が 2012 年 2 月 12日の NHK スペシャル「ここまで来た!うつ病治療」において紹介された。
  • URL: http://www.nhk.or.jp/special/onair/120212.html
• [備考] 同ドキュメンタリー番組は書籍化され、以下の書籍の中でも当該研究での成果の一部が紹介されている。
• [備考] NHK取材班: NHKスペシャル ここまで来た!うつ病治療 宝島社,2012