研究課題
前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration:FTLD)は、多様な臨床症状を呈し、いくつかの異なる病理学的背景を有する疾患群である。まず、FTLDに関連した臨床特徴の研究として、FTLD様の症状を呈した非定型の自己免疫性脳炎、中枢神経ループス、神経ベーチェット病の症例群の臨床的特徴について複数回の学会発表を行った。これらの報告を通してFTLDの臨床症状が多様であることについて理解を深めることができた。次に、最終年度は現在までのFTLDに関する臨床病理学的研究をまとめるだけでなく、FTLDと関連疾患であるTangle-predominant dementiaの側坐核における病理学的特徴と精神症状との関連について検討を行い、共著者としてに学会発表を行った。具体的にはTangle-predominant dementiaではアルツハイマー型認知症と比べ、側坐核においてタウの蓄積が顕著であり、このことが幻覚などの精神症状と関連している可能性が示唆された。さらに、関連疾患であるレビー小体型認知症についてhypocretinおよびMelanin-Concentrating Hormoneの発現に関する臨床病理学的研究を行い、共同研究者として論文報告および学会発表を行った。これらの報告を通してFTLDの臨床病理学的研究に加えて関連疾患についての臨床病理学的理解を深めることができた。
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Psychosomatics
巻: 56 ページ: 85-88
10.1016/j.psym.2013.07.001