研究課題/領域番号 |
23791347
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
宮脇 大 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20336788)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 広汎性発達障害 / 自閉症 / 感覚異常 / 感覚過敏性 |
研究概要 |
広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder、以下PDDと略す)は、相互的な対人関係、言語やコミュニケーション、共感性、想像力などの障害を特徴とする発達障害である。 PDD児のなかには聴覚過敏性などの感覚異常を有し、これによって日常生活へ支障が大きい児がいることが経験的に知られてきている。しかし、その有症率、症状メカニズム、他の精神病理との関係性、そして治療については不明な点が多く、臨床上の大きな課題となっている。そこで、これらを明らかにすることを本研究の目的とする。 対象は大阪市立大学医学部附属病院神経精神科外来を受診した精神遅滞を有さない6歳から15歳までの、DSM-IV‐TR診断によるPDD児である。現時点で64例(自閉性障害症57例、特定不能のPDD 7例)について調査を行っている。本研究において感覚過敏性は、『各感覚器系(聴覚、触覚、視覚、味覚、嗅覚)についての通常の刺激に対し、持続的に著しい苦痛を伴い日常生活に支障をきたしたり、その結果回避したりすること』と定義したところ、現在なんらかの感覚過敏性を有するものは高率(67%)であった。また内訳は聴覚の過敏性の有症率が54.7 %と最も多く、触覚、味覚、視覚、嗅覚の過敏性がそれぞれ25.0%、15.6%、7.8%、4.7%であった(重複含む)。 高機能PDD児において、従来の知見より高頻度に感覚過敏性が存在すること示唆れた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象数は近日中に予定の100例への到達する見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
対象児100例への感覚過敏性などの評価に加えて、保護者に対して包括的な行動および精神症状チェックリストであるChild Behavior Checklisit(CBCL)日本語版および多動性や不注意の重症度を評価するためのADHD Rating Scale-IV (ADHD-RS-IV)日本語版を、小学校または中学校の担当教諭に対してTeacher report form(TRF)日本語版とADHD-RS-IV日本語版を行う。 これらの結果を解析し、高機能PDD児における感覚過敏性の有症率と重症度を明らかにする。また対象を感覚過敏性を有さないPDD児(以下、nonHS群)と感覚過敏性を有するPDD児(以下、HS群)の2群に分類し、患者背景、CBCL得点、TRF得点、ADHD-RS-IV得点などを比較し、感覚過敏性の有無によるPDD児の臨床特徴の差異をを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
CBCLなどの評価尺度、関連図書および文献データ管理のためのファイル類、データ処理、保管、解析のためのコンピューターおよび統計解析ソフトウェアの購入などを予定している。また研究結果の学会での公表や精神医学学術誌への投稿のための諸費用としての使用を計画している。
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