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2014 年度 実績報告書

嗅覚・アセチルコリン系障害仮説で探るDUP(精神病未治療期間)

研究課題

研究課題/領域番号 23791350
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

正山 勝  和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70364081)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード統合失調症 / SAI / アセチルコリン / 嗅覚障害
研究実績の概要

統合失調症患者のアセチルコリン神経系、嗅覚機能の障害につき検討を加え、疾患群での機能障害を示した。アセチルコリン神経系については、経頭蓋磁気刺激を用いた神経生理指標であるSAI(short-latency afferent inhibition)を簡易に測定する装置(簡易型短潜時求心性抑制測定解析システム:MaP1645SYS)を製作し、データの再現性や測定条件の簡略化などの検討を行った。疾患群ではSAIが低下しており、統合失調症患者でのアセチルコリン神経障害の仮説を支持するものと考えられた。MaP1645SYSにより、これまで試験的な段階にとどまっていた統合失調症の機能障害の評価、認知症の鑑別診断などへの臨床応用が容易となった。嗅覚障害の検討では、カード型嗅覚検査(Open Essence)を用いて統合失調症患者の嗅覚同定能力を検討した。患者群では健常被験者に比べて、嗅覚同定能力の低下を認めた。また、患者群、健常群とも嗅覚同定能力と嗅覚障害の自覚度の相関を認めており、その他の認知機能との関連が今後の検討課題となった。未治療期間、重症度、罹病期間の検討については、現時点では、アセチルコリン神経系、嗅覚障害との関連は結論が得られておらず、引き続き検討を行う予定である。関連研究として、経頭蓋磁気刺激と近赤外スペクトロスコピー(NIRS)を用いて前頭-側頭葉間の機能的な連絡を非侵襲的に検出する手法を示した。統合失調症での前頭-側頭葉間の神経回路の障害を検出することで、SAI、嗅覚障害との関連性を探るなどの応用が考えられる。この他、未治療期間のモデルとして頭部外傷後精神病性障害の精神症状と認知機能の経時的な変化につき報告を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Evaluation of regional cerebral blood flow in patient with atypical senile dementia with asymmetrical calcification2015

    • 著者名/発表者名
      Masaru Shoyama, Satoshi Ukai, Kazuhiro Shinosaki
    • 雑誌名

      Psychogeriatrics

      巻: 3 ページ: in press

    • DOI

      10.1111/psyg.12110

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 緊張病性昏迷に対してolanzapine速効型筋注製剤が有効であった1例2014

    • 著者名/発表者名
      正山勝
    • 雑誌名

      精神医学

      巻: 56巻 ページ: 511-513

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 漢方臨床レポート 軽症抑うつ状態への抑肝散加陳皮半夏の使用経験(解説)2014

    • 著者名/発表者名
      正山 勝
    • 雑誌名

      Phil漢方

      巻: 10 ページ: 18-20

  • [学会発表] 統合失調症患者でのカード型嗅覚同定検査法(Open essense)の検討2015

    • 著者名/発表者名
      正山 勝, 篠崎 和弘
    • 学会等名
      第111回日本精神神経学会学術総会
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      2015-06-04 – 2015-06-06
  • [学会発表] 頭部外傷性精神病性障害の認知機能の不均衡2015

    • 著者名/発表者名
      正山 勝, 篠崎 和弘
    • 学会等名
      第116回近畿精神神経学会
    • 発表場所
      高槻市
    • 年月日
      2015-02-14 – 2015-02-14

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公開日: 2016-06-01  

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