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2013 年度 実績報告書

まれな遺伝性疾患との併発家族例を手がかりとした統合失調症候補遺伝子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23791351
研究機関獨協医科大学

研究代表者

倉冨 剛  獨協医科大学, 医学部, 助教 (00593592)

キーワード統合失調症 / 認知機能 / 遂行機能 / ワーキングメモリ
研究概要

統合失調症における認知機能障害は陽性・陰性症状と並ぶ中核症状であり、治療と社会的予後において大きな問題となる。本研究では、新たに統合失調症との関連が報告された小胞輸送関連遺伝子HPS4について、認知機能障害との関わりを解明することを目的としている。
本年度は、既存のコンジェニック系統であるlight ear(le)マウスより、Hps4遺伝子にのみナンセンス変異を持つ分離個体の作成を行った。leマウスはHps4遺伝子にナンセンス変異(le変異)を持つコンジェニック系統だが、近傍(約1.6 cM)のPde6b遺伝子にも変異を持つ。Pde6b遺伝子変異は網膜変性を引き起こすため、leマウスを行動実験や神経系の組織学的解析に用いることは困難であった。本研究ではヘテロ接合体マウスをインタークロスしle変異のみを有する分離個体を選別した。またin situハイブリダイゼーション法によりHps4遺伝子の組織学的解析を行った。Hps4遺伝子は海馬のCA1、CA3錐体細胞層に特異的な発現を示した。
第二に、統合失調症患者群と健常対照群について、HPS4の遺伝子多型と統合失調症認知機能簡易評価尺度との関連を遺伝モデルに基づいて解析し(平成24年度より継続)、一連の研究結果をBMC Psychiatry誌に報告した。健常対照群ではHPS4の遺伝子多型(rs9608491:劣性モデル)と2種のハプロタイプがワーキングメモリと有意な関連を示した。統合失調症患者群では、rs713998(優性モデル)と遂行機能が有意な関連を示した。本研究で用いた遂行機能課題(ロンドン塔試験)は空間記憶との関連が示唆されており、空間記憶に関連する海馬領域でHps4遺伝子の発現が認められたことから、本遺伝子が空間記憶に関連する認知機能に対し影響を与える可能性が示唆される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Association of the Hermansky-Pudlak syndrome type 4 (HPS4) gene variants with cognitive function in patients with schizophrenia and healthy subjects2013

    • 著者名/発表者名
      Kuratomi G, Saito A, Ozeki Y, Watanabe T, Fujii K, Shimoda K, Inukai T, Mori H, Ohmori K, Akiyama K.
    • 雑誌名

      BMC Psychiatry

      巻: 13:276

    • DOI

      10.1186/1471-244X-13-276

    • 査読あり
  • [学会発表] Association of genetic variants in the HPS4 gene with cognitive function in schizophrenia patients and healthy subjects2013

    • 著者名/発表者名
      Kuratomi G, Saito A, Ozeki Y, Watanabe T, Fujii K, Shimoda K, Akiyama K
    • 学会等名
      Neuroscience 2013
    • 発表場所
      San Diego (USA)
    • 年月日
      20131111-20131111

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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