アルツハイマー病AD(Alzheimer's desease:AD)患者においては、記憶障害などのために社会生活上の破綻を来しているのにもかかわらず、あたかも問題がないかのように振舞ったり、取り繕ったりする特徴的な社会的認知の障害が出現する。しかし現在まで社会的認知の障害の側面からこのようなADの症候を扱った研究はこれまで少なかった。 本研究ではこのAD患者における特徴的な行動を社会的認知の障害の側面から検討するため、AD患者を対象として社会認知機能の課題を行ない、その障害の有無や頻度を調査した。さらに患者の年齢、性別、教育歴、罹病期間、認知機能、認知症の重症度、精神症状の有無とその重症度と頻度などの他の背景因子との関連を調査した。また頭部MRIや脳血流SPECTも重ねて施行し、定量的な解析を行なった。 本研究に関連したさまざまな研究成果を国内学会・国際学会での発表し、和文・欧文学術誌にも投稿した。
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