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2013 年度 実績報告書

ヘルペスウイルスを利用した新規双極性障害動物モデルによる,気分障害発症機序の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23791355
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

小林 伸行  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20385321)

キーワード気分障害 / ヒトヘルペスウイルス6 / 炎症性サイトカイン / BDNF
研究概要

(i) ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の潜伏感染遺伝子タンパクであるSITH-1を脳に強制発現させたマウスを利用した遺伝子発現解析
HHV-6の潜伏感染遺伝子タンパクであるSITH-1の脳での影響を明らかにするために、HHV-6の潜伏感染部位であるアストロサイト特異的にSITH-1を発現させたマウスモデルを作製した。その結果、アストロサイトでのSITH-1の発現により、マウスのうつ様行動が誘導されることが確認された。SITH-1発現マウスの、脳での遺伝子発現解析により、5週齢のマウスでBrain-derived neurotrophic factor(BDNF)の低下を認めた。一方、Nerve growth factor(NGF)、 Glial cell-line derived neurotrophic factor (GDNF)、炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL-)1β及びIL-6の変化は認めなかった。
(ii) ヘルペスウイルスに関連する炎症性サイトカインの、双極性障害診断バイオマーカーとしての有用性の臨床的検討
気分障害を対象に、血液中の炎症性サイトカインmRNA発現とうつ症状の重症度との関連を検討した。その結果、IL-6 mRNA量はうつ症状と弱いながらも相関した。IL-1β mRNA量はうつ症状と弱い相関を示す傾向を認めた。このことは炎症性サイトカインがうつ症状を引き起こすことを示唆した。しかし、この結果は(i)の動物実験の結果と一致するものではない。その理由として、中枢神経と末梢血での遺伝子発現は必ずしも一致せず、末梢での炎症反応が波及的に中枢神経に影響する可能性が考えられた。
仮説として、ヘルペスウイルスの再活性化を誘導する因子である炎症性サイトカインの末梢での上昇が、アストロサイトにおけるHHV-6の潜伏感染遺伝子タンパクであるSITH-1の発現を誘導し、うつ症状を引き起こす可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Plasma BDNF levels are correlated with aggressiveness in patients with amnestic mild cognitive impairment or Alzheimer disease.2014

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Nagata, Nobuyuki Kobayashi, Shunichiro Shinagawa, Hisashi Yamada, Kazuhiro Kondo, and Kazuhiko Nakayama
    • 雑誌名

      Journal of Neural Transmission

      巻: 121 ページ: 433-441

    • DOI

      10.1007/s00702-013-1121-y

    • 査読あり
  • [学会発表] アルツハイマー型認知症の前駆段階において単純ヘルペスウイルス1型再活性化が発症に与える影響

    • 著者名/発表者名
      小林 伸行、岡 直美、嶋田 和也、近藤 一博
    • 学会等名
      第61回日本ウイルス学会
    • 発表場所
      神戸

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公開日: 2015-05-28  

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