研究概要 |
全ゲノム関連解析法を用いて非定型精神病患者(n=47)DNAと正常対象者(n=882)DNA情報の比較を行い疾患感受性遺伝子の探索を行った。 結果として単一のSNPがgenome-wide significance(5.0E-8)を超えることはなかったものの、rs245914(p=1.61E-7, CHN2 gene), rs12196860(p=2.45E-7, CPVL gene), rs12105421(5.31E-7)などがtop hitの多型として挙げられた。また統合失調症と同様に6番染色体上MHC領域にピークを示すことなどが明らかとなった。 さらに非定型精神病患者の遺伝情報は二大精神病(統合失調症と気分障害)のうちどちらに近接するかをVEGAS解析を用いて調べたところ、統計学的な有意差をもって統合失調症の遺伝情報に近似することが明らかとなった。なおこれらの結果は専門誌(American Journal of Medical Genetics PartB)に既にアクセプトされ、印刷中である。 今後はこの研究結果をもとにして分子遺伝学的な手法を用いて機能解析を進めると同時に、内因性精神病の枠組みを再構築してくための礎としていきたい。
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