研究課題/領域番号 |
23791357
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
嶽北 佳輝 関西医科大学, 医学部, 助教 (70548403)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 抗精神病薬 / 治療反応予測因子 / 薬理遺伝学 / 国際情報交流 |
研究概要 |
統合失調症は全世界で約2400万人、我が国においても約73万人が罹患する妄想、幻覚、まとまりのない会話、緊張病性の行動、陰性症状を特徴症状とする精神疾患である。現在、統合失調症患者に対する薬物治療では第2世代抗精神病薬が第一選択薬として用いられている。このうちペロスピロン とアリピプラゾールは幻覚・妄想を減弱する作用に加えて、共に鎮静作用が少ない点や統合失調症の不安や抑うつを改善する点などの臨床上多くの似通った治療効果を有する。これは両者の薬力学的プロフィールで説明が可能な点も多い。しかし、一方の薬剤では効果が不十分であるにもかかわらず、他方の薬剤では十分な治療効果が認められたり、副作用の発現も治療薬剤により異なることはよく経験するが、現状ではその使い分けにおいて客観的な指標は存在しない。本研究では、統合失調症治療においてしばしば用いられているアリピプラゾールとペロスピロン両薬剤の有用性、安全性の比較、薬物動態学/薬力学的指標を調べることで、統合失調症の薬物療法におけるテーラード医療の基盤確立に貢献することである。当該年度に実施した研究の成果は以下のものである。1. アリピプラゾールとペロスピロン両薬剤の有用性、安全性の比較2. 両薬剤の薬効に関係した遺伝子多型を含む患者背景と1との関連1.についての解析は終了しており、現在2.の解析を本助成金を基に解析中である。今後は2.から抽出された臨床予測因子に基づく統合失調症治療におけるアルゴリズムの構築を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的として、研究当初より以下の3項目を挙げていた。1. アリピプラゾールとペロスピロン両薬剤の有用性、安全性の比較2. 両薬剤の薬効に関係した遺伝子多型を含む患者背景と1との関連3. 2から抽出された臨床予測因子に基づく統合失調症治療におけるアルゴリズムの構築1.についての解析は終了しており、現在2.の解析を本助成金を基に解析中である。今後は3.を行っていく予定である。これらの事から、研究はおおむね順調に経過しているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、上記に挙げた2.の残務及び3.の施行を行っていく事とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
今後は解析に必要な物品の購入や国外及び国内研究者との積極的な交流を通じて、より有用な臨床予測因子に基づく統合失調症治療におけるアルゴリズムの構築を行っていく。
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