研究概要 |
本研究の目的は、統合失調症治療においてしばしば用いられているアリピプラゾール(APZ)とペロスピロン(PER)両薬剤の有用性、安全性の比較、薬物動態学/薬力学的指標を調べることで、統合失調症の薬物療法における個別化適正医療の基盤確立に貢献することである。計画していた具体的な研究項目は1. APZとPER両薬剤の有用性、安全性の比較、2. 両薬剤の薬効に関係した遺伝子多型を含む患者背景と1との関連、3. 2から抽出された臨床予測因子に基づく統合失調症治療におけるアルゴリズムの構築であった。 現在上記1.が終了し、その結果から、両薬剤は日本人統合失調症患者に対して十分な有効性を有し、加えてその有効性、忍容性は同等であると考えられた。またPERはAPZと比較し、不安や抑うつを早期に改善させる可能性があることが示唆された。この結果は学術雑誌に投稿し、受理済みである(Takekita Y, Kato M, Wakeno M, Sakai S, Suwa A, Nishida K, Okugawa G, Kinoshita T., A 12-week randomized, open-label study of perospirone versus aripiprazole in the treatment of Japanese schizophrenia patients., Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2013 Jan 10;40:110-4. )。 現在計画の2.段階にあり、薬効に関連した遺伝子多型の抽出、解析については終了しており、研究成果について投稿準備中である。
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