研究課題/領域番号 |
23791370
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
則内 まどか 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部, 客員研究員 (20571897)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | fMRI / 養育行動 / 脳機能 / 自閉症スペクトラム障害 / 母子 / 育児 / 乳幼児 |
研究概要 |
本研究の目的は、子どもの表情知覚に伴う母親の脳活動を機能的磁気共鳴画像法(以下fMRI)で計測し、(1)養育環境(自閉症スペクトラム障害児/定型発達児)の違いによる養育行動に関する脳機能を検討し、さらに(2)母親個々人の特性と脳機能との関連性を検討することで、養育行動の神経科学的メカニズムを明らかにすることである。 本年度は、次年度に計画している本実験に向けて、適切なシステムを構築する重要な事項を下記のように遂行した。1.被験者のリクルート:自閉症スペクトラム障害児の母親については、すでに応募者所属の研究機関において行われている別の研究に対する協力者に対し、本研究の概要を記載した協力者募集の用紙を手渡し、応答を待機している状態である。定型発達児の母親については、数名集まっており、自閉症スペクトラム障害児の母親と年齢、性、利き手などでマッチングさせるために詳細情報を収集している。2.実験システムの構築:fMRI実験の提示刺激の作成にあたり、撮影機器、編集ソフトを準備した。被験者の負担を最小限にし、効果的な提示刺激を作成するための撮影方法、編集方法を吟味するために数名の幼児の撮影を行い、編集作業の試行を行った。また、個々人の認知特性や自閉症的行動特徴を評価するための対人応答性尺度、育児ストレスなどを評価するための育児ストレスインデックス、さらに個人特性として不安尺度など具体的な評価尺度を選定した。3.予備実験:効果的な実験パラダイムを構築するため、被験者の負担にならない撮像時間と必要な画像データ量のバランスが取れるパラメーターを調整した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の対象者である自閉症スペクトラム障害児を持つ母親の確保がされていないが、計画に沿ってリクルートしており、現在待機状態である。 その他、本実験のための準備は適宜進めており、当初の計画に沿って概ね順調に展開している。
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今後の研究の推進方策 |
当初23年度に計画していた被験者のリクルートに関し、次年度も継続して募集を続けることとする。被験者への謝金は、実験終了後の支払になるため、23年度に未使用となった謝金を次年度以降に使用する。 今後、被験者のリクルートが予定通り進まない場合は、リクルート先の拡大を図ることとする。そのため情報収集や打ち合わせを積極的に実施する。 また、実験に使用する質問紙などを整え、本実験に向けたシステム構築を具体化する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初23年度に主に予定していた謝金および旅費について24年度以降に請求することとした。 リクルート先の拡大を図る際にかかる情報収集や打ち合わせの経費を次年度使用額と翌年度以降の請求額を合わせて使用する。 また、実験に使用する質問紙、解析に必要なソフトなどの購入も次年度以降に進めていく。
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