研究課題/領域番号 |
23791384
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
小山内 暢 弘前大学, 保健学研究科, 助手 (40514138)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | CT検査 / 被ばく低減 / 遮蔽撮影 / CT肺がん検診 / 医療被ばく |
研究概要 |
平成23年度は、乳房ファントムの作製および遮蔽材の選定を主に行った。乳房を模擬する材料としてパラフィンを選定した。パラフィンを溶解し乳房様形状に成形し、被ばく線量測定用の線量計素子が挿入可能である乳房ファントムを予備的に複数種類作製した。密度が乳房に近いパラフィンを用いて乳房ファントムの作製が可能であることが確認でき、パラフィンはCT値も乳房に近いことをCT撮影によって確認した。従って、今後は、パラフィン製の乳房ファントムで研究を遂行する予定である。また、乳房ファントム内に熱蛍光線量計素子を挿入して被ばく線量を測定する計画であるため、今後は、簡便に線量計の挿入・抜去ができるように更なる改良を行う。さらに、異なる乳房厚を想定して検討を行う計画であるため、厚さの異なる乳房ファントムも作製し被ばく線量測定、画質評価に使用する。CT撮影は、既存の人体ファントムに乳房ファントムを組み合わせたものを乳房被曝線量測定用胸部ファントムとして実施する予定である。アーチファクト抑制の観点から、乳房ファントムと人体ファントムの接着方法の検討も今後の課題である。また、我々がこれまでに予備的に検討を行った種々の遮蔽材よりもさらに効率的に被ばく低減が可能である材質に関する報告もあり,これらの報告にある金属板を追加購入した。今後は、前述の乳房被曝線量測定用胸部ファントム上に選定した金属板等の各種遮蔽材を配置してCT撮影を行い、被ばく線量および画質を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定した以上にファントム作製が難しく試行錯誤を繰り返したため、研究全体の流れに遅れが生じた。平成24年度は早期にファントムを完成させ、選定・購入済みである遮蔽材を使用し円滑に研究を遂行したい。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、ファントム完成後に最適な線量計素子を購入し、ファントム上に各種遮蔽材を配置してCT撮影を行い、被ばく線量および画質を評価する予定である。平成25年度は、必要に応じて追加実験を実施し、研究結果をまとめ報告する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
ファントム作製に遅れが生じたため、至適な線量計素子の選定を行えず線量計素子購入予定として、平成23年度に計上していた予算を繰り越すこととなった。また、旅費に関しても参加を予定していた学会が東日本大震災の影響で中止となったこともあり残額が生じ24年度に繰り越した。平成24年度は、平成23年度に購入予定であった線量計素子を繰り越した予算で購入する。また、線量測定開始後、線量計素子を必要に応じて24年度経費に計上した予算で追加購入する。その他、消耗品、旅費に関しては当初の計画通りに予算を執行する。
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