研究概要 |
本研究の目的は,日本人の頚部頚動脈動脈硬化性病変の特徴を,3テスラMRIを用いて明らかにすることである. 1.日本人と米国人 (Caucasian)の頸動脈プラークを比較し、プラークの特徴に人種間の差があるか検討すること, 2. 日本人の症候性プラークと無症候性プラークを比較し,症候性プラークの特徴を明らかにすること, 3. 日本人の頚動脈狭窄病変症例のプラークを撮像後,追跡調査を行い,将来イベントを生じる頚動脈プラークの特徴は明らかにすることにより,主目的を検討していく. 今年度は研究期間 (4年間)の3年目であった.今年度も、昨年度から引き続き対象患者(50%以上の頚動脈狭窄を有する無症候性、症候性患者)のMRI撮像を行った.得られた画像は,専用の解析ソフト (Plaque View, VPD社)を用いて,血管壁、血管内腔の定量的評価(面積,体積),プラーク構成要素の定性的評価(存在診断),定量的評価(面積,体積の絶対量,血管全体に対する相対量)を行った.具体的なプラーク構成要素は,lipid-rich/necrotic core, プラーク内出血,石灰化,loose matrix,線維性成分であり、これらを評価した.また、lipid-rich/necrotic coreが存在する場合、線維性被膜の定性的評価も行った. 日本人と米国人の頸動脈プラークの比較について、第21回国際磁気共鳴医学会 (2013/4/20-26,ソルトレークシティー)にて発表した。日本人男性22例、米国人男性32例の冠動脈疾患を有する群において、無症候性頚動脈狭窄病変を比較した。日本人では有意にハイリスクプラークを有する頻度が高かった.
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