研究概要 |
ラット Wistar種メス6ー7週齢を用いた。麻酔にはジエチルエーテル吸入と抱水クロラール腹腔内注入を用い、滅菌したアクリル板 にラットを固定し、右大腿部に放射線照射を行った。右大腿部への照射は0Gy(グレイ)30Gy、50Gy、70Gy群に分けて一回で照射を行った。血中酸化代謝物の測定、潰瘍の評価、一部遺伝子の解析が行われた。解析の結果では急性期の放射線に対する反応として2Gy/fr.の照射群で有意に酸化代謝物の血中濃度が上昇していた。急性期以降の反応では30Gy群、50Gy群、70Gy群では線量に応じて放射線皮膚潰瘍のグレードが高く相関する結果が得られた(p<0.001)。これら高線量照射ラットにおける血中の酸化代謝物濃度は16日目にピークが見られ、時期的には放射線による皮膚潰瘍が出現し始める時期に一致していた。また、各線量群毎にその値に差が見られ、高線量群ほど血中酸化代謝物が高い結果が得られた(p=0.029)。血中酸化代謝物は放射線による皮膚障害の程度を反映するマーカーになる可能性がある。これらの結果は欧州癌学会(17thECCO- 38thESMO- 32thESTRO 併催)にて発表された。また、学術誌 Free Radial Researchに原著論文として掲載された。 国際学会発表. Nomiya T, Kaneko T, Goto J, Harada M, Akamatsu H, Ota I, Kamada T, Nemoto K. Relationship between the quantity of serum reactive oxygen metabolites and skin toxicity grade in the irradiated rat model. The 17thECCO-38thESMO-32thESTRO. Sep. 27-Oct. 1, 2013, Amsterdam. 学術論文掲載 (Impact factor=3.279; 2012). Nomiya T, Kaneko T, Goto J, Harada M, Akamatsu H, Hagiwara Y, Ota I, Nemoto K. Relationship between Serum Reactive Oxidative Metabolite Level and Skin Reaction in an Irradiated Rat Model. Free Radic Res. 2014 May;48(5):572-9.
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