研究課題
呼吸性移動を伴う腫瘍に対して強度変調放射線治療(IMRT)を実施する場合,多葉絞り(MLC)との相互作用により,意図せぬ線量分布となり非動態下における線量分布とは大きく異なる.しかも,その乖離度はMLCの動きやIMRT照射時間内の動態周期・移動量等に依存する.また,同じ動態下であっても照射タイミングの違いにより,様々なIMRT線量分布が存在するため,実測から傾向を読み取ることは困難である.平成24年度では,MLC位置情報や動態周期・移動量,照射タイミングおよび照射回数等のパラメーターを入力することで,動態下におけるフルエンスマップが作成可能なソフトウェアを開発した.本ソフトウェアはパラメーターを入力するだけで動態下におけるフルエンスマップを作成できることから,IMRT品質保証の判定にも使用でき,その臨床的意義は大きい.当ソフトウェアを用いて単純なシミュレーションを実行した結果,IMRT照射時間内の動態周期が短く,移動量が小さく,線量率が低いほど,非動態下におけるフルエンスマップとの差異が小さくなる傾向にあった.また,照射回数が多いほど乖離度が小さくなることも明らかとなってきた.研究最終年度では,様々なパラメーターを入力して得られた動態下におけるフルエンスマップと非動態下におけるフルエンスマップを比較し,統計学的手法等を用いて差異の原因を解明する予定である.また,動態下において安全にIMRTを施行するためのガイドライン原案を策定にも着手する予定である.
2: おおむね順調に進展している
平成24年度に予定していた動態下におけるフルエンスマップ作成ソフトウェアを開発した.
開発したフルエンスマップ作成ソフトウェアにMLC位置情報や動態周期・移動量,照射タイミングおよび照射回数等のパラメーターを入力して得られた動態下におけるフルエンスマップと非動態下におけるフルエンスマップと比較する.また,フルエンスマップの差異の原因を追究する.また,動態下において安全にIMRTを施行するためのガイドライン原案を策定にも着手する予定である.
動態下におけるIMRTの安全性は未だ明らかになっていないため,国内外の学会での情報収集が必要である.このため,旅費が多く必要となる見込みである.これ以外にデータ集積用の消耗品を研究費に用いる予定である.
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