研究課題/領域番号 |
23791410
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木戸 晶 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80595710)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | MRI / 生体分子 / ECR image / MT image / 線維化 |
研究概要 |
既に行った1.5T装置でのファントムを用いた基礎実験と同様、3T装置においても、同じファントムによって、ECR imagingが得られるか検証を行った。1.5T装置に比べ、T1の短縮、susceptibility artifactの増強等の問題が挙がったが、各種撮像パラメーターの調整により、1.5Tで得られたものと同様の結果を得ることが可能となった。3T装置は磁場が強いため、3T装置での撮影が可能となったことは、今後の症例の蓄積にとって、大きなステップアップであると考えられる。次に、婦人科患者で撮影ECR画像が得られるよう、事前撮影として、正常ボランティア、内膜症性嚢胞患者等において試験撮影を行った。腸管の蠕動に伴うアーチファクトにより評価困難となる領域が広いことが大きな問題であり、今後の検討が必要と思われる。腹部術後の被検者においては、その創部に交差緩和率の違いが認められ、術後の線維化に伴う変化を反映した画像であると考えられた。また、内膜症患者ボランティアにおいては、卵巣内膜症性嚢胞内容液には明かな信号変化が認められず、癒着の状態の評価は困難であった。ある程度以上の強い線維化を呈する状態で初めて交差緩和率に変化がみられると思われ、内膜症性患者においても、そのステージを考慮した上で今後の症例の蓄積が必要であると思われる。また、内膜症患者のみならず、担癌患者における検討も今後進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H23年に3T装置がクエンチし、更に東日本大震災の影響が重なったために、クエンチからの復旧が遅れ、平成23年9月以降にようやく実験が可能な状態となった。このため、基礎実験、試験撮影までは可能であったが、症例検討まで至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当大学産婦人科教室への働きかけにより対象となる患者を紹介頂き、症例での検討を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
今後、症例の蓄積によるデータ量の増加に伴い、データ保管用のハードディスクが必要となる予定である。
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