前年度までに、1.5T装置においてファントムでの良好な画像が得られ、頭部MRIでもECR効果が確認されていた。このため、昨年度は、上記と同様のECR imaging用の特殊ファントムを用いて実験を行った。ファントム上は、1.5T同様、ECRの違いによる信号の変化が認められ、適切なシーケンスであると考えられたので、次に腹部での実験を行った。 最初のボランティアにおいて、腹部手術後のボランティアにおおいて、手術創部に信号変化のある可能性が示唆されたが、創傷の範囲が小さく、ROIを囲んで測定するには値が安定しないこと、motion artifactが強いことから、評価の再現性・安定性については低い可能性が考えられた。このため、腹部における腫瘤性病変と正常組織間でECR値に違いが出るか検討を行った。対象として、子宮筋腫、腎細胞癌で撮像を行った。まだ少数であるため、統計的な値は出していないが、それぞれに腫瘤部位でのECR効果の出る可能性は示唆された。
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