生検で前立腺癌と判明し当院泌尿器科にて前立腺全摘術が施行された患者さんを対象とし、術前に施行した3テスラMRIの拡散強調画像から計算されるADC mapと摘出された前立腺の病理結果を照らし合して、Ultra-high b value(b=2000 s/mm2)とStandard-high b-value(b=1000 s/mm2)を用いたADC値による癌の検出能(良悪の鑑別能)を後方視的に検討し、癌部と非癌部のADC値はoverlapが多少存在するものの、ROC解析によるAz値(0.8前後)や最適cut off値による感度・特異度(70~80%程度)は比較的良好な結果となり、ADC値による定量評価は日常診断に有用な情報を寄与しうる事が確認できた。また、癌部のADC値が前立腺癌の悪性度を示し予後とも密接に関係すると言われているGleason score/gradeと密接に相関することを示し、生検でのGleason score/gradeと同程度に、手術で得られる真のGleason score/gradeを予測できることをつきとめた。以上の成果は、国内外の様々な学会で発表するとともに、論文発表(Journal of Magnetic Resonance Imaging とEuropean Journal of Radiologyに掲載決定)を行った。
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