研究課題
悪性グリオーマはその再発形式と腫瘍周囲に流入・流出する神経線維束との関連性が指摘されているが、従来の放射線治療計画では全く考慮されていない。本研究の目的は三次元的な拡散異方性を解析することで神経線維束を画像化する拡散テンソル解析によって、悪性グリオーマの再発形式と神経線維束との関連性を解析を行い、それを放射線治療計画に考慮する神経線維追跡放射線治療(Fiber-Tracted Radiation Therapy:FTRT)の手法を開発することである。平成23年度は研究計画に則り、平成12年度以降の神戸大学医学部附属病院にて放射線治療を施行した悪性グリオーマ65例についてデータベースの作成し、再発形式などの解析を行った。治療成績、再発形式は諸報告と比較して同等の結果であり、FTRTの対象となりうる放射線照射野外への再発例も複数認められていた。拡散テンソル解析については平成19年度以降の症例で実施されており、再発形式との関連性の評価として主神経線維束と原発腫瘍の位置、及び再発腫瘍の位置・進行傾向などについてデータを収集した。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画通りに神戸大学医学部附属病院における悪性グリオーマのデータベースの作成、及び解析を実施しており、その成果を国際学会にて報告している。また拡散テンソル解析との関連性評価についても必要なデータはすでに収集しており、問題なく研究計画が進行できている。
拡散テンソル解析と再発形式との関連性評価については現在実施しており、当初の平成24年度研究計画に則り進行する予定である。
当初の研究計画に則り、平成24年度の研究費を使用する予定である。
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International journal of radiation oncology, biology, physics
巻: 82(4) ページ: 1509-14
10.1016/j.ijrobp.2011.04.052
巻: 82(2) ページ: 626-634
10.1016/j.ijrobp.2010.11.037