研究課題
ウサギ腫瘍のVX2の肝腫瘍モデルに対するCTガイド下の経皮的ラジオ波凝固におけるラジオ波単独治療群と免疫賦活化因子のOK-432(ピシバニール)の局所注入併用群との局所制御率および遠隔転移モデル制御率の比較検討を行った。VX2腫瘍を日本白色種兎の肝臓に移植し、左耳介の皮下に転移モデルを作成した。移植1週間後に造影CTにて肝に腫瘍が作成されていることを確認し、治療実験を行った。ラジ オ波治療には2cm展開型のLeVeenNeedleを使用した。電極針はCTガイド下で穿刺し通電した。ラジオ波凝固を施行した群(RFA単独治療群) 。RFA施行部位にOK-432を局注した群(OK-432併用群)、無治療群(コントロール群)の3群作成した。検討項目はこの3群の生存と 肝腫瘍と左耳介の転移モデルの腫瘍体積を経時的に測定すること。肝腫瘍体積、生存中央日数はRFA単独治療群、OK-432群、コントロール群で治療により体積増加率に有意差があり、生存もRFA+ OK-432群での有意な延長が示された。耳介の転移モデルもRFA単独とOK-432併用群では増大率に有意差が認められた. RFA治療腫瘍の抗原に対して炎症細胞が集積すると報告されている。OK-432は免疫細胞を直接賦活化する物質であり、RFA 治療後に免疫賦活薬剤を局所注入することにより、RFAによる腫瘍に対する免疫反応をさらに賦活化し、結果として局所制御率、遠隔制御および生存が延長したことが示された。今回の実験結果でRFAに免疫賦活を加えることで、併用療法の考え方が大きくカ変わる可能性が期待され、臨床的にも特色のある研究の基盤ができたと思われる。
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Radiology 120249; Published online February 25, 2013
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10.1148/radiol.13120249