研究課題/領域番号 |
23791440
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
生駒 顕 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (60458065)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 抗癌剤 / 徐放性 / RM-ゼラチン / 動注療法 / IVR |
研究概要 |
今回、溶解型ゼラチンスポンジであるRMゼラチンを用いて、シスプラチンキャリアーとしての有用性の検討について、15頭の正常豚を用いた検討を行った。左肝動脈より、シスプラチンの動注群(AI群)、120分で溶解するRMゼラチンを用いてTACE(肝動脈化学塞栓術)を施行した群(TACE120群)、360分で溶解するRMゼラチンを用いてTACE(肝動脈化学塞栓術)を施行した群(TACE360群)、でその徐放性を検討した。TACE120群で、ゼラチンが溶解後も抗癌剤が流出し続け、約180分まで測定可能であった。TACE360群でも、抗癌剤はゼラチンが溶解後も流出し続け、約420分で低値となった。ゼラチンの溶解がはじまってから以降は、AI群よりもTACE120群、TACE360群で抗癌剤の流出がみられた。TACE 120群とTACE360群を比較すると、360分で溶解するRMゼラチンが再開通し始めるまでの最初の90分間は、TACE 120群の方が抗癌剤の流出が多く、RMゼラチンの溶解(再開通)とともに、抗癌剤の溶出/徐放がみられることがわかった。このことより、RMゼラチンが溶解(再開通)するとともに抗癌剤が溶出され、in vivoでもRMゼラチンの徐放性が確認できた。以上のことは、H24/3月にRSNA(IVR国際学会)にて、(Evaluation of soluble gelatin sponge as a role of cisplatin-carrier: basic study in a swine model)として発表した。次年度はさらにN数を増やし、論文投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
N数を増やしてさらに実験予定。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度は、さらに5頭の豚で可溶性ゼラチンスポンジに白金を吸着させて徐放性および安全性についてさらに追加実験する方針である。しかし、現在の実験にて良いデータが得られ、有意差がでれば、追加検討項目として、可溶性ゼラチンスポンジを用いた組織障害の検討を豚を用いて行う方針である。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度は、さらに5頭の豚で可溶性ゼラチンスポンジに白金を吸着させて徐放性および安全性についてさらに追加実験する方針である。このため、動物実験にかかる費用(処置関係消耗品使用料、実験動物料金、ワクチン接種)などに研究費がかかる予定であるが、組織障害の検討を中心に行うとすると、病理組織標本作製料に費用がかかる予定である。
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