研究概要 |
今回、溶解型ゼラチンであるRMゼラチンを用いて、シスプラチンキャリアーとしての有用性の検討を正常豚15頭を用いて行った。左肝動脈より、シスプラチンの動注群(AI群)、120分で溶解するRMゼラチンを用いてTACE(肝動脈塞栓術)を施行した群(TACE120群)、360分で溶解するRMゼラチンを用いてTACE(肝動脈塞栓術)を施行した群(TACE360群)でその徐放性を検討した。TACE120群でゼラチンが溶解後も抗癌剤が流出し続け、約180分まで測定可能であった。TACE360群でもゼラチンが溶解後も流出し続け、約420分で低値となった。ゼラチンの溶解が始まって以降はAI群よりもTACE120群、TACE360群で抗癌剤の流出がみられた。TACE120群とTACE360群を比較すると、360分で溶解するRMゼラチンが再開通し始めるまでの最初のの90分間は、TACE120群の方が抗がん剤の流出が多く、RMゼラチンの溶解(再開通)とともに、抗癌剤の溶出/徐放がみられることがわかった。このことより、RMゼラチンが溶解(再開通)するとともに抗癌剤が溶出され、in vivoでもRMゼラチンの徐放性が確認できた。以上のことは、英文誌Cardiovasc Intervent Radiolに投稿された(Ikoma A, et al.Evaluation of the Role of Cisplatin-conjugated-soluble Gelatin Sponge: Feasibility Study in a Swine Model.Cardiovasc Intervent Radiol. 2012 Oct 17. [Epub ahead of print])。
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