研究課題
中間・高リスク前立腺癌に対しては、癌が前立腺内に局在していると画像的に判断しても、顕微鏡的に3mm以上の被膜外浸潤が認められることが知られており、複数のモダリティによる治療方法によって有効な治療範囲の拡大、治療強度の増加が必要である。その中でI-125シード線源を用いた低線量率小線源治療(以下、I-125シード治療)を主軸とした包括的戦略が有望視されている。I-125シード治療の治療強度をより正確に把握するため、シード線源が留置できるように加工した水等価性ファントムを作成し、独自の解析ソフトを用いてパラメーターごとのヒストグラム解析を行うことにより、最適なピッチファクタ、検出器収集方法、管球回転速度を検証した。小さいピッチファクタならびに低速の回転速度による条件でアーチファクトの少ない線源同定が可能になることが示された。さらに、I-125シード治療における直腸線量指標として、Equivalent Uniform Dose(以下、EUD)を測定した。治療1か月後のポストプランCTをもとに直腸の線量-体積ヒストグラム(以下、DVH)を出力した。次に、直腸DVHの物理線量を2Gy/回の外部照射と生物学的に等価な線量(equivalent dose)に変換し、equivalent dose (Deq)-based differential DVH(DeqVH)を計測した。このDeqVHをもとにEUDを算出した。EUDの平均値は65.4Gy(最大115.9Gy、最小33.9Gy)であった。EUDは直腸V100、D30、D10、D1と有意な相関関係があり、特にD1と強い相関がみられた。計算の特性上、小体積でも高線量が照射されるとEUDは高値を示すと考えられ、EUD換算による複数の治療モダリティの重ね合わせによる評価の可能性が示唆された。
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