研究概要 |
震災の影響で研究所が一時使用不能となり、予定から遅れた。23年度は豚を用いた甲状腺と副腎の実験を繰り返し行なった。23年度は豚の甲状腺と副腎に対して凍結療法を行い、凍結時、解凍時のバイタルの変化、末梢血のホルモン濃度(アルドステロン、コルチゾール、T3, T4)を測定した。副腎凍結療法後は、著しい高血圧が出現し、末梢血の副腎皮質ホルモン濃度も高値を示した。甲状腺凍結療法後は、血圧や体温などに変化なく、末梢血の甲状腺ホルモン濃度にも変化がなかった。これらの実験結果より、副腎に対して凍結療法を行う際には、末梢血へ副腎ホルモンが流出することで、急激な高血圧が生じることが分かった。また、甲状腺に対して凍結療法を行う際には、末梢血へ甲状腺ホルモンが流出することがなく血圧や体温の変化などは生じないことが分かった。いずれの実験結果も今後、実際に患者さんを治療する際に、合併症を防ぐための重要なデータとなる。実験から得られたこれらのデータを、2011年9月にドイツで行われたCIRSE2011という学会にて、演題名「Hemodynamic and hormonal changes during cryoablation of adrenal gland in swine: in vivo experimental study」発表者M. Inoue, S. Nakatsuka, H. Yashiro, S. Oguro, N. Ito, Y. Yamauchi, K. Hashimoto, K. Asakura, N. Tsukada, Y. Izumi, M. Kawamura, S. Kuribayashiで発表した。
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