研究課題/領域番号 |
23791448
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小黒 草太 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50383716)
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キーワード | 凍結療法 / 甲状腺 / 副腎 |
研究概要 |
24年度は昨年度に引き続き、豚を用いた甲状腺と副腎の実験を繰り返し行なった。 豚の甲状腺と副腎に対して凍結療法を行い、凍結時、解凍時のバイタルの変化、末梢血のホルモン濃度(アルドステロン、コルチゾール、T3, T4)を測定した。副腎凍結療法後は、著しい高血圧が出現し、末梢血の副腎皮質ホルモン濃度も高値を示した。甲状腺凍結療法後は、血圧や体温などに変化なく、末梢血の甲状腺ホルモン濃度にも変化がなかった。これらに加えて今年度は、甲状腺の凍結療法時の温度分布を測定し、最適な凍結法を検討した。現在データを解析中であるが、いずれの実験結果も今後、実際に患者さんを治療する際に、合併症を防ぐための重要なデータとなると考えている。 24年度の実験から得られたこれらのデータを、2012年7月13日に三重大学医学部附属病院で行われた第13回RFA 談話会にて、演題名「ブタ甲状腺の凍結療法時におけるホルモンおよびバイタルの変化について」発表者:小黒 草太、中塚 誠之、井上 政則、橋本 統、栗林 幸夫で発表した. 活発な討論がなされ、フロアから建設的な意見を頂いた。25年度は最終年度であり、引き続きブタを使用した実験で、データを蓄積すると共に、実験結果を英文論文として報告する予定である。 また、今年度は本研究の臨床応用を目指して、複数の甲状腺外来や耳鼻咽喉科の医師と連携を図っており、今後の臨床応用を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年はブタを使用した実験を繰り返して行い、本年度施行する予定であった甲状腺のホルモン変化および凍結療法中の温度分布を測定することができた。また、実験結果の一部を研究会で発表し、フロアから建設的な意見を頂いた。
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今後の研究の推進方策 |
25年度は最終年度であり、引き続きブタを使用した実験で、データを蓄積すると共に、実験結果を英文論文として報告する予定である。 甲状腺に関しては、高血圧や熱発などの症状が出現しないことから、実際に治療を行うことが比較的容易であることが予想され、既に複数の甲状腺科や耳鼻科咽喉科の医師と連携を図っており、今後の臨床応用を検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度からの繰越金が少額生じた。なぜなら実験時に測定する予定であった血液サンプルの数が、実験計画段階より少ない数で終了したためである。よって24年度の繰越金と25年度以降に請求する研究費と合わせて今後の使用計画を立てることとした。 25年度以降も豚に対する副腎、甲状腺の凍結療法を追加する予定である。また、24年度に得られた成果を英文論文にて発表する予定であ る。
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