研究課題/領域番号 |
23791453
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
雫石 崇 日本大学, 医学部, 助手 (30570741)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ポルフィリン / パラメトリック単色X線放射 / 放射線増感 |
研究概要 |
日本大学の電子線利用研究施設(LEBRA; Laboratory for Electron Beam Research and Application)では世界で唯一、波長が単一で位相が揃っているパラメトリック単色X線放射(PXR)を直接、研究に利用出来る。また、我々はX線を吸収する新たな腫瘍親和性のある光感受性物質の開発を行い、この化合物を利用し、PXRによる新たな光線力学療法(photodynamic therapy; PDT)の有効性に関する基礎的研究を行うことである。我々はPXRのエネルギー範囲にヨード元素のK吸収端が33.17keVが含まれる点に注目した。本年度は光線力学療法(PDT)に利用される腫瘍親和性のある光感受性物質である種々のポルフィリンにヨード元素を結合させた新たな化合物を準備し、膀胱癌細胞株のin vitroにおいてWST assayおよびcolony formation assayにおいて既存の白色X線により放射線増感効果を検討した。この結果、新たな放射線増感剤の候補となりうるポルフィリン化合物を選別することができた。放射線増感効果の機序を解明するために、活性酸素の発生とアポトーシス小体の観察を試みたが、現時点では有意差は確認されていない。今後はPXRにおいて同様の実験を行い、放射線増感効果の機序をさらに検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点までの研究において、新たな放射線増感剤となりうるポルフィリンの選別が出来た。また、PXRにおいてダイヤモンド結晶をセットし、より強いエネルギーを放射することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
白色X線において放射線増感効果が見られたポルフィリン化合物について、PXRでの放射線増感効果を調べる予定である。ヨード元素とPXRの組み合わせによる放射線増感効果が既存の白色X線とどれだけ違うかを確認する予定である。in vivoの実験として、膀胱癌細胞株をマウス皮下に移植しXenograftを作成し白色X線とPXRの放射線増感効果を調べる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
ポルフィリンの大量合成用の試薬、培養用の消耗品、細胞株Xenograft作成マウス、PXRの消耗品、学会参加費が主な使用目的である。
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