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2012 年度 実施状況報告書

IFN‐αと放射線治療効果増強に向けたBID分子標的療法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23791456
研究機関関西医科大学

研究代表者

津野 隆哉  関西医科大学, 医学部, 助教 (60598259)

キーワード分子標的療法 / 遺伝子治療 / アポトーシス / BID / IFN-α
研究概要

悪性腫瘍に対する新たな分子標的療法/遺伝子治療の確立として、我々はアポトーシス経路に着目し、in vitroにおいてBH3 interacting domain death agonist (BID) 分子の重要性を、インターフェロン(IFN) -αの抗腫瘍効果増強と共に報告した (Tsuno T, et al, 2012)。
平成24年度はまず予備実験として、我々が上記研究で使用したヒト肺癌細胞株 A549細胞をICR nuマウスに皮下接種した。そして、BID遺伝子包埋 (pIRES-BID) vectorまたはpIRESpuro3 (empty) vectorを、腫瘍特異的drug deliveryとして合成環状ペプチドiRGD (Sugahara KN, et al, 2009, 2010) と、免疫応答を誘導しない非ウィルス性遺伝子導入製剤in vivo jetPEI (Polyplus Transfection) ともに、遺伝子導入した。続いてIFN-αを投与し、その腫瘍標本からアポトーシスを確認した。
次にA549細胞皮下接種ICR nuマウスを、コントロール群、empty vector/iRGD/in vivo jetPEI 群、pIRES-BID/iRGD/in vivo jetPEI 群に分類した。更にempty vector群とpIRES-BID群を、IFN-α投与群とγ線9 Gy照射群に分類した。IFN-α投与群は更に、iRGD投与群または非投与群に分類した。以上9群 (n=6) とした。それぞれ8日間で3回繰り返し投与した。
結果として、IFN-α投与継続群かつiRGD投与群の方が、腫瘍抑制効果を示す傾向であった。またγ線9 Gy照射群はすべて死亡した。以上から、より長期間のIFN-α投与群と、より低線量の放射線照射群での結果が更に必要と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は脱落群などあったが、結果として研究の概要は把握できたと考えられた。平成25年度はそれらの補填と、より裏打ちされた実験を施行し、発表、論文化していく予定である。

今後の研究の推進方策

ICR nuマウスにA549 細胞を生着させる。コントロール群、empty vector群、pIRES-BID vector群に分類する。更にそれぞれのvector群をPBS投与群、IFN-α投与群、放射線照射群、IFN/放射線併用治療群に分類する。vector群にはiRGDとin vivo jetPEIを併用投与する。次にvector群に、注射用PEG-IFNα-2b製剤(ペグイントロン皮下注用; MSD株式会社)の皮下注射と、放射線照射を行う。これらのvector/iRGD/in vivo jetPEI投与、ペグイントロン皮下注射を5-7回繰り返す。腫瘍量が一定量となった時点、またはIFN-α投与終了時に、マウスの全身におけるアポトーシス発現量をin vivo Apoptosis FLIVO Kit (ImmunoChemistry Technologies, LLC.)を用いてlive imaging測定する。次にマウスの腫瘍組織、主要器官の組織切片を作成する。それらの切片に対して、アポトーシス発現の検討、病理学的評価などを行う。腫瘍量は統計学的手法に基づき評価し、腫瘍細胞死の誘導増強効果や、BIDの分子標的療法/遺伝子治療としての有用性ならびに安全性を検討する。

次年度の研究費の使用計画

マウスを使用したin vivo実験を続行するため、マウス購入費、マウス実験費用(麻酔剤、遺伝子導入剤、手術器具、病理組織作成・評価費用など)、本実験のためのベクター精製費用、in vivoでのアポトーシス検出費用、必要に応じたiRGDの追加作成費、研究情報収集・研究成果発表のための学会参加費・旅費、別のベクター作成・遺伝子導入剤が必要となった場合の物品費用、in vitro実験が必要となった場合の物品費用など。

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公開日: 2014-07-24  

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