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2011 年度 実施状況報告書

CT脳血流測定の信頼性検証:主幹脳動脈狭窄・閉塞に伴う血管拡張に関連して

研究課題

研究課題/領域番号 23791461
研究機関秋田県立脳血管研究センター(研究局)

研究代表者

茨木 正信  秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 研究員 (40360359)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード脳血流 / CT / PET
研究概要

脳血管狭窄・閉塞による脳卒中の診断において,脳血流量(CBF)測定は病態把握や治療方針の決定に有用な情報を与える。現在最も精度が高いとされるのは,ポジトロン断層撮影法(PET)等の核医学的手法である。本研究の目的は,近年の装置進歩により普及が進みつつあるCT perfusion法(CTP)の信頼性検証を,PETとの比較を通して行うことである。両手法の測定原理から,CTPは血管拡張領域(CBV上昇領域)においてPETに比べてCBF高値を示す可能性があり,実際のイメージングにおいて観測されうる違いを生じるかを検証する。これまで当施設でPET,CT両検査を行った例のうち,片側性の主幹動脈閉塞・狭窄を伴う脳疾患患者をリストアップし,約20例を解析対象とした検討を行った。両測定で得られたCBFマップおよびCBVマップに対し,関心領域(ROI)解析を行った。今回のような検討において従来頻繁に使われてきた,マニュアルでROIを設定する手法では解析結果の再現性が乏しいことが判明した。これは,CTによるCBFマップにおいては,本研究の仮説でもある血管構造に強い影響を受けていることが原因の一つと考えられる。この問題を解消するために,自動ROI設定ソフトウェアである3D SRTを利用したPET/CTP CBF比較システムを構築した。これによりSPMテンプレートで解剖学的標準化されたCBFマップ上において,全自動かつ客観的なROI解析が可能となった。本研究で対象としている患者群は慢性期脳血管障害であり,CBF低下の程度は比較的低いことを確認した。両手法の差異をより強調して示すことを目的に,CBF低下領域(<90%)のみを抽出して解析する手法を適用したところ,よりCBV上昇が強い症例ほどPETに比してCTPがCBF高値の傾向を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の研究期間は2年で,1年目はCTPのデータ処理系整備を行い,対象症例のデータ取得を開始する予定であった。ROI解析のデータ処理系を整備し,予定していた対象症例数に対する解析結果を示すことができた。本研究の目的であるCTの信頼性検証に関する成果を得た。ただしデータ処理系整備に関し,血管影響除去を目的としたダイナミックデータ解析システムの整備が必要であり,2年目に作業を行う予定である。

今後の研究の推進方策

1年目に行った解析を対象症例数を増加させた上で継続する。これまでに20例での解析を行なってきており,最終的には30例以上での解析を行う予定である。現状使われている血管影響除去法以外の手法を提案し,解析に応用する。CTPで同時に計算されるCBVをもとに脳実質と血管容積の割合を推定し,CBFに実効的な脳実質の重みづけを行う等の手法を考えている。検討結果をまとめ,学会発表,論文作成を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

データ処理系整備に関し,血管影響除去を目的としたダイナミックデータ解析部が未完成であった。この部分に関して,大量のCTダイナミックデータを処理するシステムを今年度構築する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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