研究課題
[18F]AlFおよび67Gaを標識するためNODAGA修飾EGFを、native chemical ligation法を用いて合成した。NODAGAの導入部位はEGFの結合を阻害しないN末端に導入した。縮合する部位としてAlaとCysの間を選び、N末端フラグメント30残基と、C末端側は23残基のフラグメントに分けて合成を行った。合成はFmoc固相合成法を用いて行った。C末端側セグメントはRink樹脂を出発原料にペプチド鎖の伸長を行い、TFAで脱保護後、RP-HPLCにより精製を行い目的物を得た。次にN末端側セグメントはDawson Dbz 樹脂を出発原料に合成を行った。ペプチド鎖を伸長後、保護NODAGAをN末端アミノ基に導入した。その後、p-nitrophenyl chloroformateによりC末端を活性化し、TFAで脱保護後に4-mercaptophenylacetic acid存在下、チオエステルに変換した。その後、C末端側フラグメントとnative chemical ligation法でカップリングを行った。カップリングにはGuanidine Hydrochloride、tris-2-carboxyethylphosphine hydrochlorideを加えたリン酸バッファー(pH 7.0)中で、室温、16時間で反応を行った。反応後、RP-HPLCで各生成物を単離し、それぞれを質量分析装置で解析した。その結果、主生成物が目的とするNODAGA修飾EGFの分子量の計算値とほぼ一致することを確認した。次にEGFのフォールディングを行った。フォールディングでは炭酸バッファーに溶解し、そこにL-Cysteinを加え反応を1時間行った。その後、L-Cystineを加えて、20時間室温で反応を行った。反応後、ゲルカラムにより精製を行い目的物を得ることに成功した。
2: おおむね順調に進展している
N末端Met選択的な修飾反応を昨年は試みたが、目的物を得ることが困難だったため、今年から計画を変更し、native chemical ligation法を用いて合成を行った。その結果、NODAGA修飾EGFを得ることに成功した。本年度の目標は達成できたと考えている。
元の計画ではAlFを標識する予定であったが、研究代表者が所属を異動したため、18Fの合成が困難となった。しかし、現所属では設備としてSPECTがあるので、まずは67Ga標識を行い、合成したプローブを用いてマウスでのSPECTイメージングを行う。また引き続きAlFの合成に関しては共同研究先を探す予定で研究を推進する。
SPECTイメージングを行うので、マウスおよび担癌マウスの調製を行う。そのためマウス、扁平上皮癌細胞の培養に研究費を用いる。また67Ga標識のためのカラムや薬剤に研究費を用いる。また得られた成果を発表するための旅費として研究費を用いる。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 433 ページ: 47-51
10.1016/j.bbrc.2013.02.069.
Circ J.
巻: in press ページ: in press
10.1253/circj.CJ-12-0736