• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

摂食障害の早期診断及び治療評価を目指したPET用プローブの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 23791466
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

河村 和紀  独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (50401766)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード放射性薬剤 / PET / 分子イメージング / グレリン受容体 / GHS-R / イミダゾリン受容体
研究概要

本年度は、今まで分子プローブとしてほとんど開発及び評価されていないグレリン受容体(GHS-R)の開発を行うことを目的とした。ポジトロン放出断層撮影法(PET)を用いた摂食障害の診断と解明を目標とし、はじめにPET用核種の標識が可能なGHS-R選択的リガンドを探索し、PET用核種である18F標識が可能でありGHS-Rに対して高い親和性(Ki = 17 nM)を持つ6-(4-Chlorophenyl)-3-{[1-(2-fluoroethyl)piperidin-3-yl]methyl}-2-(2-methylphenyl)quinazolin-4(3H)-one(FEGRL1)を選択した。次にその前駆体及び標準品を合成し、18Fで標識した[18F]FEGRL1を合成した。マウスによるインビボ実験では、[18F]FEGRL1を静脈内投与することにより放射能集積は脳へ移行性したが、GHS-Rリガンド負荷では放射能集積が減少せず、特異的結合が見られなかった。しかし、GHS-Rが多く存在する胃では、[18F]FEGRL1投与により放射能集積がGHRS-Rリガンド負荷でわずかに減少した。[18F]FEGRL1は末梢でのGHS-Rを画像化できる可能性を示した。 次に、すでに開発したイミダゾリンI2受容体選択的リガンド[11C]FTIMDの超高比放射能化に成功し、ラット脳内でのイミダゾリンI2受容体の特異的結合をインビボで定量的に解析し、従来の[11C]FTIMDよりもラット脳内でのイミダゾリンI2受容体への結合能が有意に高いことを示した。超高比放射能[11C]FTIMDはイミダゾリンI2受容体濃度を感度高く反映できる優れたPET用プローブであり、摂食障害とイミダゾリンI2受容体濃度との関係の解明に有用であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

いくつかのPET用グレリン受容体リガンドを探索し合成したが、マウスによるインビボ実験により脳でのPET用リガンドとして有用なものが見つからなかった。そのため、達成度はやや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

さらに、PET用グレリン受容体リガンドを探索し、標識合成し、インビボ実験により評価し、有用なPET用グレリン受容体リガンドを開発する。同時に、有用なPET用イミダゾリンI2受容体リガンドを開発したので、摂食障害との関係についてPETを用いてインビボで評価する。PET用グレリン受容体リガンドが開発できなかったとしても、有用なPET用イミダゾリンI2受容体リガンド用いてグレリン受容体リガンドとの関係を評価し、イミダゾリンI2受容体及びグレリン受容体が摂食障害とどうのように関わっているかPETにより評価する。

次年度の研究費の使用計画

新規PET用グレリン受容体リガンドの探索及び合成のための試薬、器具等を購入し、インビボ実験で使用する動物、試薬等を購入する。また、成果を国内外の学会に発表するための費用として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] PET study using [11C]FTIMD with ultra-high specific activity to evaluate I2-imidazoline receptors binding in rat brains.2012

    • 著者名/発表者名
      Kawamura K, Kimura Y, Yui J, Wakizaka H, Yamasaki T, Hatori A, Kumata K, Fujinaga M, Yoshida Y, Ogawa M, Nengaki N, Fukumura T, Zhang MR.
    • 雑誌名

      Nuclear Medicine and Biology

      巻: Vol. 39 ページ: 89~99

    • DOI

      10.1016/j.nucmedbio.2011.07.008

    • 査読あり
  • [学会発表] Imaging of [11C]FTIMD binding to I2-imidazoline receptors in the rat and monkey brain.2011

    • 著者名/発表者名
      Kazunori Kawamura, Jun Maeda, Joji Yui, Akiko Hatori, Tomoteru Yamasaki, Hidekatsu Wakisaka, Takashi Okauchi, Yuichi Kimura, Toshimitsu Fukumura, Ming-Rong Zhang
    • 学会等名
      Society of Nuclear Medicine 2011 Annual Meeting
    • 発表場所
      サンアントニオ(USA)
    • 年月日
      2011年6月4日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi