本課題により、炭素線照射はX線照射に比べ、大多数の癌細胞株において浸潤抑制効果が高いこと、しかし、まれにPANC-1やSF126のように浸潤能が上昇する細胞株が存在することが明らかとなった。また、阻害剤によるスクリーニングから、炭素線照射後のPANC-1の浸潤能の抑制にはNOSやPI3Kの阻害剤が有効である事を同定した。さらに、炭素線照射後に浸潤能が上昇するPANC-1 とSF126では、照射後に培地中のNO2-量が上昇する一方で、浸潤能が減少するMIAPaCa-2ではNO2-量は減少することから、NOは複数の細胞株の照射後浸潤変化に重要である可能性が示唆された。
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