研究課題/領域番号 |
23791473
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
久保田 佳樹 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 寄付講座教員 (40583076)
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キーワード | 該当なし |
研究概要 |
放射線治療時の安全な臓器運動計測法として、超音波画像からの臓器運動の定量化法の構築を目的として本事業を開始した。昨年度までの内容としては、1断面の超音波画像からの動体追跡アルゴリズムについて開発し、「放医研 臨床研究 10-014」において撮影した被験者画像において、その有効性を示した。この結果については、国際会議、国内学会などで報告し、現在論文にまとめている。 また、これを発展させることにより、本研究課題の目的でもある3次元動体追跡アルゴリズムを開発した。そして同時に開発した超音波用動体ファントムを用いた実験により、その有効性を検証した。結果は第3回分子追跡放射線治療国際会議及び、第105回日本医学物理学会学術大会において報告した。このアルゴリズムを実装したプログラムは、超音波画像を収集する装置とは別のPCマシン上で動かしたものであり、今後、超音波画像収集装置上で実装する必要がある。また、複数の患者データでの統計的な解析を行い、論文にまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究目的である「3次元臓器運動のリアルタイム追跡」のアルゴリズムの基本的な部分においては開発済みであり、超音波用の動体ファントムを用いた実験において、その有効性を検証した。今後は臨床データにおいて、試験し、各専門家の意見を取り入れることにより改良する必要がある。また、現在想定している実機において、そのアルゴリズムを実装し、臨床的な試験を行う必要がある。臨床データの使用については、倫理委員会を通すなど、使用するための手続きを行う必要があり、早急に進めたいと思う。 学会・国際会議発表については、ほぼ当初の予定通り進んでいると考える。しかし論文投稿について少し遅れているため、早急に投稿したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在完成している臓器運動の3次元追跡法については、単純なファントム軌道での実験においてその有効性を示している。今後はさらに複雑なファントム軌道での実験を行い、様々な状況を想定した場合において精度検証をする予定である。 また、実機における臨床用ソフトウェアの開発が必要であり、このソフト開発に研究費を使用する予定である。そのソフトを用いて、実際の患者データで試験を行う予定である。患者データの使用については、本学倫理委員会で承認を得て行いたいと思う。 学会発表においては、今年度も昨年度と同額使用予定であり、昨年度までに使用できなかった論文校正費・投稿費においては今年度使用予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に3次元動体追跡プログラムを実装し、臨床試験を行う予定であった。しかし、平成23年度から24年度にかけて、所属機関を放射線医学総合研究所から群馬大学へ移動したことにより、実験装置一式の移動が遅れ、3次元動体追跡プログラムの実装・評価およびその臨床試験が遅れることとなった。このため、3次元動体追跡プログラムの実装・評価及び臨床試験を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとする。
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