チミジル酸合成酵素(TS)の過剰発現は 5-FU 耐性機序として考えられている。研究者らはHER2 標的療法による TS 抑制および 5-FU 療法の抗腫瘍効果増強について検討を行った。HER2 陽性乳がん細胞株 SkBr3 において HER2 標的療法薬である trastuzumab により TS 発現および TS mRNA が抑制され、相加的な 5-FU 抗腫瘍効果の増強を認めたが、trastuzumab 耐性細胞株において TS 抑制効果は認められなかった。一方、研究者らは耐性の検討において、HER2 を含む二量体発現が trastuzumab 感受性に深く関与することを明らかとした。
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