Donor-specific Transfusion群(6-8週令Balb/c(H-2d)をdonor、C3H/He(H-2k)をrecipientとし、108個、0.5mLの脾細胞を尾静脈より静注)はControl群(同条件でPBSを静注)に比し有意に移植片の生着延長を見た(P<0.001)。DST後に3rd partyの皮膚を移植するとコントロール群と同様の期間で拒絶された。Cell sortingした細胞成分ではnonBnonT cellおよびMHC classII cellが有意に移植片生着を延長した(P<0.05 )。nonBnonT cellおよびMHC classII cell のうち、CD11b+ cellが有意に移植片生着を延長した(P<0.05)。Recipientの調節性T細胞(Treg)はDST後7日で増加のピークを迎えた(P<0.01)。増加したTregはリンパ球混合試験でdonor由来細胞のみを有意に抑制した(P<0.01)。CD11b+細胞輸注後、レシピエントのIDO+CD11c+細胞は有意に増加した(P<0.01)。Recipient LNsのIDO発現はCD11b+輸注後3日から急激に上昇し5日目にピークを迎えた(P<0.05、図2)。DST後に1MT(IDO阻害剤)を投与されたrecipientの移植片は生着延長が認められなかった)。同マウスでは末梢のTregがexpansionしておらず、またIDO+CD11c+細胞はむしろ低下していた(P<0.05)。 すなわち、DSTは主としてdonorのCD11b+細胞によりdonor-specific Tregが輸注後7日目にexpansionすることでその効果を発揮し、そのメカニズムにIDOが強く関与していることが証明され、移植免疫の理解への大きな前進につながる可能性があると考えられる。
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