研究課題
本年度はiPS細胞由来樹状細胞(DC)のワクチン担体としての抗腫瘍効果の検討を行った.マウスiPS細胞よりDCを分化誘導し,これにマウスメラノーマ細胞B16の腫瘍抗原遺伝子であるgp100遺伝子をアデノウイルスベクターを用いて導入し,iPS-DC-gp100を得た.これをC57BL/6Jマウス(n = 5)の背部皮下に接種し,14日後にsacrificeし脾臓を採取した.脾臓よりリンパ球を分離し,これをB16と5日間混合培養しCD8+陽性細胞を単分離しCTLを得た.CTLの細胞障害活性をB16をターゲットにした51Cr-release assayを行った.結果,コントロール遺伝子導入iPS-DCではB16,MC38(gp100蛋白非発現のnegative contorol)とも細胞障害活性を認めなかったが,gp100遺伝子導入iPS-DC接種にて得られたCTLはB16のみを障害し,gp100特異的な細胞障害活性を認めた.その後に実際の癌ワクチンとしての可能性を皮下腫瘍モデルを用いて検討した.結果,B16皮下腫瘍はコントロール群)では全く腫瘍増殖抑制効果を認めなかったが,gp100遺伝子導入群では著明な抗腫瘍効果を認めた.これらに研究結果は論文とし,Int J Cancer に投稿した.結果、追加実験としてiPS-DCの所属リンパ節への遊走能のチェックを必要性を示唆されたため,追加実験を行った.iPS-DCをラベリングし,ワクチン後の所属リンパ節の蛍光染色ならびに免疫染色を行った.結果,iPS-DCのワクチン後の所属リンパ節への遊走能はナイーブDCと同等であり,さらにT細胞リッチなzoneに集積することが立証された.これらの内容を加え,再投稿し,アクセプトされた.(Int J Cancer 2014 e pub)
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (1件)
Annals of Surgical Oncology
巻: in press ページ: in press
Endoscopy
巻: 46 ページ: E62-63
10.1055/s-0033-1359159.
International Journal of Cancer
巻: 134 ページ: 332-341
10.1002/ijc.28367.
Surgery Today
巻: 44 ページ: 875-883
10.1007/s00595-013-0628-z
Oncology Report
巻: 31 ページ: 605-612
10.3892/or.2013.2911.
Gan To Kagaku Ryoho
巻: 40 ページ: 1575-1577