私達はiPS細胞由来樹状細胞(DC)を作成し,腫瘍抗原遺伝子であるhgp100遺伝子を導入し,これを用いた癌ワクチン療法の可能性をマウスを用いて検討した.結果,iPSDCはnaiveDCと比較して成熟能,遊走能は同等であることを示し,さらにhgp100遺伝子発現iPSDCワクチンによってhgp100特異的な細胞障害性Tリンパ球(CTL)が誘導されること,またこのCTLはhgp100発現細胞株であるB16に対して強力な抗腫瘍効果を発揮することを立証した.また実際の治療モデルでnaiveDCとiPSDCは同等のワクチン効果を発揮することを立証した.今後の臨床応用の可能性が示唆された.
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