胃癌細胞株MKN28、MKN45、MKN74、MKN1、TMK-1、KatoIII、AZ521、OCUM-1を培養後、回収して表面マーカーCD24、CD44、CD133、CD166、SSEA-1、SSEA-4の蛍光標識抗体およびフローサイトメトリー法およびセルソーティングにて腎癌幹細胞表面マーカーの解析を行った。また、胃癌手術症例からの胃癌組織をサンプルとして同様にフローサイトメトリー法およびセルソーティングによる解析を予定していたが、腫瘍細胞のみの単離が困難で行えなかった。表面マーカーによるセルソーティングで得られた胃癌細胞株をヒト組換え20ng/mlのEGFおよび10ng/mlのbFGF存在下にて培養を行い、細胞生存率をトリパンブルーで測定し、4-5週間後に光学顕微鏡でspheroid colony formationがあるものを自己複製能のある胃癌幹細胞マーカーの候補と考えた。続いて8-12週齢のSCIDマウス皮下にこの癌細胞を3万個ずつ注射して移植し、16週まで腫瘍増殖を観察し、腫瘍形成のあるマーカーをその細胞の癌幹細胞マーカーの候補とした。さらに表面マーカー陽性でソーティングした胃癌細胞株を5FU等の抗癌剤存在下で培養しMTTアッセイで生存細胞数を計測し、表面マーカー毎に各細胞株での生存率が有意に高いものをそれぞれの細胞株の癌幹細胞マーカーと同定した。現在、胃癌幹細胞マーカーに対するsiRNAオリゴDNAを設計してタカラバイオ社製のsiRNA発現型プラスミドpBAsi-hU6に挿入して胃癌幹細胞抑制型プラスミドを構築中である。
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